主要研究業績

   

門田 修平

教育上の能力に関する事項

  1. 教育方法の実践例
     1  アメリカCNNのニュース、TEDトークなど、映像・音声を統合したマルチメディアを駆使した実践的なコミュニケーション志向の英語教育(学部生対象)
    年月日:1995年4月〜現在まで
    概要:英文を1語ずつ認識しその意味を集積していくようなボトムア ップ(bottom-up)式の理解だけでなく、学習者の側の知識駆動型のトップダウン(top-down)式の理解もできることをテーマとしつつ、動画などのマルチメディア教材をもとにリスニング、ディクテーション、パラレルリーディング、シャドーイングなどを駆使しながら、音声言語の理解と、書記英語の理解を統合した英語運用能力の育成を目指す授業を展開した。

     2  コンピュータ、インターネットを活用したタスク中心の英語ライティングの授業(学部生対象)
    年月日:1996年4月〜現在まで
    概要:パソコン(MacintoshおよびWindows)のワープロソフト、e-mail、インターネットを活用しつつ、パラグラフライティング(paragraph writing)の指導を中心とした英作文の教育を実践している。そして、最終的には、受講生には、グループ毎に発表テーマを設定し、発表原稿を執筆し、あわせてPowerPointを使った英語によるプレゼンテーションを行うなど、具体的な目標、タスクを設定した指導を実践した。
     
  2. 作成した教科書、教材
     1  A New Approach to Practical English(実験版)ジェムコ出版
    年月日:1980年4月
    概要:(pp.1-38) 共著者は、本人および野村和宏、有本 純の3名であるが、共同執筆につき、本人担当部分抽出不可能。本書は、外国 語として英語を学ぶ日本人大学生を対象に編纂した、ビデオ利用のマルチメディアLL総合教材のパイオニア的存在である。各課のビデオを視聴した上で、内容理解、文型練習、英問英答、要約から英作文までを意図した斬新なものであった。ジェムコ出版より暫定的実験版が刊行され、英語の授業でも使用されたが、最終的に大学教科書としては出版されなかった。

     2  Current Issues and Topics(現代の話題を取り上げる)大阪教育図書
    年月日:2008年3月
    概要:(pp.1-67) 著者は、P. Duppenthaler、注釈・訳は、本人の監修、本人および磯辺ゆかり、能勢 卓、ハーバード久代の4名であるが、共同執筆につき、本人担当部分抽出困難。本書は、現代のさまざまなトピックについて取り上げたDuppenthaler氏による英文エッセイ(各課500words程度で11課より構成)に対して、学習者の理解を助ける注釈を付与し、さらに本書を使用する教員のための和訳(教師用資料)を提供するものであった。

     3  Get It、Essay Writing(エッセイ・ライティングの技能上達からプレゼンテーションの完成まで)大阪教育図書
    年月日:2013年4月
    概要:(pp.1-77) 共著者は、本人および時岡ゆかり、伊藤佳世子、Martin Weatherbyの4名であるが、共同執筆につき、本人担当部分抽出不可能。個人で、また、グループ分けして、学生側で興味のあるトピックを自由に決め、作文し、プレゼンテーションまで実践できることを目指したものである。エッセイ・ライティングがどのようなものか、またその展開(レトリック)を無理なく指導できるようにし、最終的には自身で書いた英文をもとにしたプレゼンテーションにスムーズに移行できるように工夫した。

     4  決定版英語エッセイライティ ング(改訂増補版)
    年月日:2014年10月
    概要:(pp.1-228) 監修者:門田修平、共著者:門田修平、氏木道人、伊藤佳世子。英語の4技能の中でも非常に高度な技術であるエッセイ・ライティングについて、その方法をフローチャートで示した初版をもとにして、(1)新たにエッセイ・ライティングのウォームアップレッスンを新設し、(2)初版のモデルパラグラフ、モデルエッセイ、また例文、解説などすべてを、すぐれた英語ネイティブとともに検討し、必要なアップデートを実施し、さらに(3)学習したことをもとに、再度エッセイ・ライティングに挑戦するラストチャレンジを用意した。

     5  英語はリーディングだ:英語の総合力を伸ばす読み方
    年月日:2020年3月
    概要:(pp.1-128) 共著者:門田修平、長谷尚弥、氏木道人、Sean A. Whiteの4名であるが、共同執筆につき、本人担当部分抽出不可能。本書は、学校での英語学習法とは異なる視点から英語学習を見直すための学習書である。英語習得の基礎基本としてのリーディングをもとに、英文読解力だけでなく、語彙力、文法力はもちろん、リスニング力、スピーキング力など英語の様々な能力を磨くというコンセプトをもったもので、リーディングという入り口から入って、英語の総合的な能力の育成をいかに達成するか、本書はそのためのノウハウを満載したトレーニング本である。

     6  言語学者と考えた中学英語が1番身につく本
    年月日:2022年2月
    概要:(pp.1-226)監修者として本書全体の加筆・修正・削除、語句・文体等の統一等を実施した。英語学習はこれまで、英語が「わかった」と思えばそれで完了であったが、「使える」ためには、すぐに取り出せるような状態にしておく必要がある。本書は、英文法を「知る」だけでなく、「使える」力が身につくことを目指したもので、わかりやすい解説に加え、英語をすぐに使える記憶に落とし込んだり、瞬間的に英文を作ったりする練習を設けている。
     
  3. 当該教員の教育上の能力に関する大学等の評価
    本学では毎年、自己評価委員会(委員長は学長)によって教員の教育能力、研究業績について評価を行っている。
    年月日:2001年7月〜現在まで
    概要:学部生を対象とした英語教育では、マルチメディアを駆使した実践的なコミュニケーションの向上を目指し、コンピュータ、インターネットを活用したタスク中心の英作文指導が中心であるが、これらは、現代の学生のニーズに合致しており、受講学生へのアンケート調査でも、自己評価委員会によっても、常に高い評価を得ている。また、大学院生を対象とした講義、研究演習でも、言語教育に関連して、言語科学、音声科学、心理言語学、認知科学、言語障害学、言語文化学など隣接領域からの最新の知見を元に、分かり易く論を展開する手法は、受講生へのアンケート調査でも、自己評価委員会によっても、非常に高い評価を得ている。
     
  4. 実務家教員についての特記事項
    なし
     
  5. その他
     1  各種学会誌、学術雑誌の査読委員および編集委員を通じての社会貢献
    年月日:1994年4月〜現在まで
    概要:『ことばとコミュニケーション』誌(英潮社)、Language Laboratory誌[2001年4月よりLanguage Education and Technologyに名称変更](語学ラボラトリー学会[2001年4月より外国語教育メディア学会に名称変更])の編集委員長・査読委員長として、また、『ことばの科学研究』(ことばの科学研究会)、『英語教育研究』(関西英語教育学会)、『全国英語教育学会紀要』(全国英語教育学会)、JACET Bulletin(大学英語教育学会)、Second Language(日本第二言語習得学会)、『関西レヴュー』(関西英語英米文学会)、『認知科学』(日本認知科学会)、Studies in Language Sciences(日本言語科学会)などの査読委員として、投稿された論文について各種コメントを付し、投稿者に対し論文の執筆指導を行った。

     2  中学校・高等学校英語教員への講演活動を通じて研究成果の現場へのフィードバックを通じての貢献
    年月日:1990年10月〜現在まで
    概要:『「聴くこと」と「読むこと」の学力の相関について』を契機として、『英語リーディングの認知過程』『リスニングとリーディングの接点』、『英語メンタルレキシコン』、『シャドーイング・音読の効果』など、主に英語その他の外国語(第二言語)がいかに習得されるかに焦点をあてつつ、中学校、高等学校の英語教員 を主たる対象とした講演活動を繰り返し行い、実践的コミュニ ケーション能力を重要視した教育法の定着に努めた。
 

職務上の実績に関する事項

  1. 資格、免許
     1  中学校教諭1級普通免許(外国語(英語))
    年月日:1978年3月28日
    概要:神戸市外国語大学外国語学部英米学科にて教職課程を履修し、同大学同学部同学科を卒業し、取得。

     2  高等学校教諭1級普通免許(外国語(英語))
    年月日:1981年3月28日
    概要:神戸市外国語大学外国語学部英米学科にて教職課程を履修し、 同大学大学院外国学研究科英語学専攻修士課程を修了し、取得。
     
  2. 特許等
    なし
     
  3. 実務家教員についての特記事項
    なし
     
  4. その他
     1  関西学院大学大学院言語コミュニケーション文化研究科設置準備委員会委員
    年月日:1999年10月〜2001年3月
    概要:2001年4月より開設予定となった大学院言語コミュニケーション文化研究科の趣旨、カリキュラム等を作成し、大学院設置 申請の一躍を担った。

     2  関西学院大学大学院言語コミュニケーション文化研究科研究科委員長室委員
    年月日:2001年4月から2002年3月
    概要:2001年4月より開設された大学院言語コミュニケーション文 化研究科の執行部のメンバーとして、同研究科の運営を担った。

     3  関西学院大学大学院言語コミュニケーション文化研究科博士課程設置準備部会サブコンビーナー
    年月日:2001年6月〜2003年3月
    概要:2003年4月より開設予定となった言語コミュニケーション文化研究科博士課程設置準備部会の副委員長として、委員長の補 佐役としての役割を担った。

     4  関西学院大学大学院言語コミュニケーション文化研究科教務学生副委員
    年月日:2002年4月〜2003年3月
    概要:大学院言語コミュニケーション文化研究科の執行部のメンバー として、同研究科の運営を担った。

     5  関西学院大学大学院言語コミュニケーション文化研究科内に設置された言語コミュニケーション文化学会運営委員長
    年月日:2002年4月〜2003年3月
    概要:大学院言語コミュニケーション文化研究科内の言語コミュニケ ーション文化学会の運営委員長として、同学会が主催する講演 会、言語コミュニケーションフォーラム等の運営を担った。

     6  関西学院大学言語教育研究センター副長
    年月日:2007年4月〜2009年3月
    概要:関西学院大学言語教育研究センター副長(英語)として、英語教育委員会コーディネータとして、英語インテンシブプログラム等の運営を担った。

     7  関西学院大学言語教育研究センター長
    年月日:2012年4月〜2014年3月
    概要:関西学院大学言語教育研究センター長として、関西学院大学における外国語(英語、ドイツ語、フランス語)、およびその他の外国語(スペイン語、中国語、朝鮮語)プログラムの執行部を率いる統括責任を担った。

     8  関西学院大学大学院言語コミュニケーション文化研究科委員長
    年月日:2012年4月〜2014年3月
    概要:大学院言語コミュニケーション文化研究科委員長として、同研究科の執行部を率いる統括責任を担った。
 

著書

  1. 外国語教育理論の新事実
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1984年4月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:エデュカ株式会社
    概要:(pp.1-229) 編集:河野守夫、分担執筆:北条礼子、門田修平、河野守夫、南比佐夫、谷林真理子、その他19名。1.教授法 CCL対ALH①(pp.3-5)およびCCL対ALH②(pp.6-7)、2.ListeningとSpeaking ListeningのReadingへの転移(pp.29-30)、3.Reading 読解力と眼球運動(pp.56-58)、4.テスト Cloze Testの評価法(pp.68-70)およびCloze Testの有効性③(pp.77-78)を分担執筆。本書は、1971年から1981年までの間に外国語教育、第一言語獲得、言語の理解・産出などの応用言語学の分野で主要な海外学術誌に掲載された論考のうち、実証的データを含む論文を紹介したものであるが、その中で、EFL学習者への文法指導においてCognitive Code Learning TheoryとAudio-Lingual Habit Theoryに基づく教授法の効果を比較した論考や、OHR MethodによるListening訓練の読解力への転移についての論考、英文読解中の眼球運動のメカニズムを調べた論考、クロ-ズテストの有効性・評価方法を検証した論考などを要約・紹介し、解説を付けた。
     
  2. 現代の言語研究--小西友七先生に捧げる
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1988年12月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:金星堂
    概要:(pp.1-457) 編者:奥田隆一、門田修平、衣笠忠司、児玉徳美、河野守夫、南比佐夫、山根繁、八木克正(六甲英語学研究会)、分担執筆:D. Bolinger、赤野一郎、門田修平、河野守夫、八木克正、その他30名。Ⅲ.音声言語とコミュニケーション 読解における視覚認識のメカニズム(pp.419-433)を分担執筆。大脳左右半球機能差について扱った過去の研究の中には、音声言語の理解が分析的・連続的な左半球による処理と、右半球による全体的・感覚的認識方法とを合わせ持つ統合的なメカニズムであることを示唆しているものがある。本稿では、テキストレベルの読解というかなり高次の処理過程において、通常の左半球的な音韻処理経路以外に、視覚的・絵画的イメージを媒介とする右半球的認識経路が存在することを、実験データにより明らかにしようとしたものである。
     
  3. 現代英語の語法と文法--小西友七先生傘寿記念論文集
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1998年5月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:大修館書店
    概要:(pp.1-354) 編者:村田勇三郎、秋元実治、衣笠忠司、児玉徳美、澤田治美、安井泉、和田四郎(小西先生傘寿記念論文集編集委員会)、分担執筆:秋元実治、村田勇三郎、児玉徳美、安井泉、門田修平、その他32名。Ⅳ.音声研究 英単語の視覚認知における音韻の役割:心理言語学的分析(pp.317-325)を分担執筆。本稿は、日本人大学生を対象に、音韻符号化が英単語の視覚認識においていかなる役割を果たしているかについて検討すべく、(1)音韻情報へのアクセス容易性、(2)音韻ループ干渉課題の影響についての実証データを報告したものである。RT(反応時間)データの分析の結果、Dual Accessを示すModelを支持するという示唆が得られている。

  4. ことばの心理と学習--河野守夫教授退職記念論文集
    単著・共著の別:共著
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:金星堂
    概要:(pp.1-451) 編者:有本純、井狩幸男、石川圭一、門田修平、鈴木寿一、竹内理、野澤健、村田純一、山根繁(ことばの科学研究会)、分担執筆:R.Titone、有本純、門田修平、村田純一、山根繁、その他31名。Ⅲ.言語心理 英文テキスト構成要素間の論理関係の理解-正答率・反応時間による心理言語学的分析-(pp.167-179)を分担執筆。本稿は、日本人英語学習者のローカルな談話レベルの読解過程を探る第一歩として、2つのテキスト構成要素間(Clauses)の論理関係(Relations)のうち、どういった関係が彼らにとって推論しやすく、捉えやすいのかについて、正答率および反応時間の比較という心理言語学的な視点から検証したものである。その結果、Reversed関係やTemporal関係の検出は、認知的に比較的容易であるが、CausalやExampleの概念把握はかなり困難な面を含むことが報告されている。
     
  5. 英語リーディングの認知メカニズム
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2001年4月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:くろしお出版
    概要:(pp.1-459) 編著者:門田修平、野呂忠司、分担執筆:門田修平、野呂忠司、その他13名。はしがき(pp.i-ii)、序章:本書のねらい(pp.1-6)、Ⅰ.読みの研究はこれまでいかに推移したか:ボトムアップ理論からスキーマ理論を経て相互作用理論まで(pp.9-14)、Ⅱ-1.メンタルレキシコン内の語彙へのアクセス(pp.25-35)、Ⅱ-4.単語の音韻処理はいかに読みの影響するか(pp.75-80)、Ⅲ-2.読みにおける情報処理単位はどのようなものか:チャンキングについて(pp.99-108、pp.109-111)、Ⅳ-2.ワーキングメモリとことばの理解(pp.121-126、 pp.131-133)、Ⅴ-2.テキストの論理関係の処理:読み手はいかに文と文との意味を結びつけるか(pp.163-172)、Ⅵ-2.読解における音韻処理機構と視空間イメージ処理機構(pp.209-227)、終章:今後の展望は(pp.397-398)、基本図書紹介(pp.403-406)を分担執筆。本書は、英語およびその他の外国語におけるリーディングの研究をはじめてみたい、あるいは日々実践している英文読解の指導法について理論的な観点から見直してみたいと考えておられる方を対象に編集した概説書である。本書では、英語の読みに関係して、推論過程、テキストの心的表象、メタ認知、読解ストラテジーなど読み手の知識ベースのトップダウン処理に関係する事項のみならず、書かれた語の意味やその他の語彙情報へのアクセス、眼球運動、フレーズ化などボトムアップ的なプロセスにも相当のページを割き、さらにワーキングメモリ、リスニング、ライティングとの関係など、英語リーディングに関し網羅的・学際的な視点をもって議論し、その成果に立脚してリーディングの評価法・教授法について議論している。
     
  6. 英語の書きことばと話しことばはいかに関係しているか--第二言語理解の認知メカニズム
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2002年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:くろしお出版
    概要:(pp.1-242) 一般に英文読解力となると極度に分析的・局所的な英文和訳とほぼ同義的に考えてしまう傾向がいまだに強い。また読解力の育成は精読、多読、速読を含め、読む訓練によってのみ可能になるものであり、音声英語の教育を削って、少しでも読む訓練のための時間を確保することが、入試に成功するための早道であるという考えも根強い。本書では、このような英語リーディングについての「誤った認識」を払拭することを目的に、まず、人が本来、言語および非言語の「情報処理」のためにいかなる記憶・神経システムを用意しているかについて簡単に紹介し、「聞く」「話す」「書く」「読む」という4つの言語処理過程について、それらの概略を解説した。そして、その前提の上に立ち、「読む」という行為を、ディコーディング(解読)過程と、コンプリヘンション(理解)過程に大別し、それぞれの過程がどのような心的メカニズムより構成されているか、「聴く」「話す」といった人間言語本来の音声言語処理と、それぞれいかに結びついているかについて、筆者自身の実証研究を交えつつ、検討したものである。その際、国内外のこの方面の研究動向に留意しつつ、応用言語学、心理言語学、認知科学、脳神経科学など学際的な観点からの理論づけと、実証的なデータから論を展開する視点を、できる限り貫くことを旨とした。(本書は、2002年9月に大学英語教育学会賞学術賞を受賞した。)
     
  7. 応用言語学事典
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2003年4月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:研究社
    概要:(pp.1-973) 編集主幹:小池生夫、編集委員:井出祥子、河野守夫、鈴木博、田中春美、田辺洋二、水谷 修、分野責任者:田辺洋二、小池生夫、阿部圭子、片岡邦好、高原 脩、田中春美、東山安子、石井 敏、小松達也、松本 茂、田中茂範、河野守夫、植村研一、中野美知子、鈴木 博、大友賢二、水谷 修、編集コーディネーター:村野井仁、木下耕児、川成美香、林 宅男、三好重仁、高本裕迅、田中 実、門田修平、杉下守弘、大和田和治、吉本 亮、中野美知子、堀口純子、分担執筆:門田修平、その他290名。Ⅷ.心理言語学の編集コーディネーターとして、心理言語学の分野責任者を補佐し、専門用語・執筆者の選定並びに編集作業を行った。また、Ⅷ.心理言語学領域の大項目として、リーディング、テキスト理解、心的辞書へのアクセス、話しことばの処理と書きことばの処理の関係を担当した。また、中項目として、語の意味へのアクセスルート、構造言語学のリーディング観、調音抑制法、読みのバイラテラルモデル、ボトムアップモデル、読解における二重処理モデル、読解単位の形成要因、文字探索法、読みにおける音韻符号化、クロ-ズ間論理関係の理解、アルファベット文字の処理、仮名の処理、漢字の処理、読解におけるプロソディ説、読解単位、読みにおける知覚単位と処理単位の関係、内的音声化を分担執筆した。
     
  8. 英語のメンタルレキシコン--語彙の獲得・処理・学習
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2003年6月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:松柏社
    概要:(pp.1-364) 編著者:門田修平、分担執筆:門田修平、池村大一郎、中西義子、野呂忠司、島本たい子、横川博一。はしがき(pp.iii-iv)、第1章:メンタルレキシコンとは何か(pp.1-11)、第2章:第一言語における語彙獲得とことばの処理プロセス(pp.13-30)、第6章:語の意味表象へのアクセス(pp.99101、 pp.103-104、 pp.105-115、 pp.117-122)、第11章:語彙ネットワークと第一・第二言語のメンタルレキシコン(pp.217-243)、第14章:第二言語習得理論の構築に向けて(pp.305-323)を分担執筆。本書は、外国語としての英語のメンタルレキシコンについて、母語のレキシコンとはことなり、一種の中間言語としてどのようなレキシコンを持っているか、またいかにして獲得・教育されるかについて、人の記憶システム、情報処理の認知科学、脳神経科学、心理言語学、応用言語学理論の広範囲にわたる、最新の研究成果をもとに、検討したものである。その議論の上に立ち、第二言語学習の3段階モデルを提案している。
     
  9. 決定版 英語シャドーイング
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2004年4月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:コスモピア
    概要:(pp.1-244) 共著者:門田修平、玉井 健。第1部:なぜシャドーイングは英語力を伸ばすのに効果があるのか(pp.13- 56)を分担執筆。本書は、第1部において、英語シャドーイングの効果について、最近の心理言語学や認知科学の成果をわかりやすく平易にまとめ、第2部の実践編で、さまざまな英文素材をもとに、実際のシャドーイングの訓練をいかにして行うかについて扱ったものである。
     
  10. 英語音声学辞典
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2005年11月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:成美堂
    概要:(pp.1-337) 編集委員長:都築正喜、編集主幹:市崎一章、分担執筆: Ashby、 P.、Ashuby、 M.、有本純、伊佐治正浩、 石井康仁、市崎一章、Ingram、 John、遠藤裕一、大高博美、小川直義、小川喜正、加曽利実、門田 修平、神谷厚徳、神崎高明、その他57名。Mental Lexicon(心的辞書)(pp.129-130)、Phonological Coding(音韻符号化)(pp.165-168)、Shadowing(シャドーイング)(pp.227-229)、Transfer from Listening to Reading(リスニングからリーディングへの転移)(pp.280-281)を分担執筆。本書は、英語音声学および関連書領域においてキーとなる用語について、各項目に2ページ以上を割りふるという、かなり踏み込んで詳細に解説した辞典である。なお、本辞典は、2004年6月に『英語音声学活用辞典』として日本英語音声学会出版部より刊行されたものに加筆・改訂を加えたものである。この初版においては、Mental Lexicon(心的辞書)(pp.109-110)、 Phonological Coding(音韻符号化)(pp.143-144、Prosodic Configuration Hypothesis of Reading(読みの韻律構造仮説)(pp.169-170)、Transfer from Listening to Reading(リスニングからリーディングへの転移)(pp.243-244)、Working Memory(作動記憶)(pp.257-258)を分担 執筆した。
     
  11. 第二言語理解の認知メカニズム--英語の書きことばの処理と音韻の役割
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2006年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:くろしお出版
    概要:(pp.1-237)本書は、2004年9月に明海大学大学院博士後期課程応用言語学研究科に提出した博士学位請求論文「第二言語理解の認知メカニズム-英語の書きことばの処理と音韻の役割-」をもとに、誤記等の訂正、および最小限の加筆を施して刊行したものである。本書では、まず第1章で、ワーキングメモリの心理・神経機構という、リーディングなど認知情報処理の前提となる仕組みについて近年の研究成果を総括し、続く第2章では、読みのディコーデング過程として、語彙知識の心内の総体としてのメンタルレキシコン、および単語レベルの読みの心的過程について、これまでの内外の心理言語学研究の成果について概観した。第3章では、文レベル以上の読みの過程について主要モデルを概観し、その中心的な処理機構、とりわけ書かれた文の音韻符号化がいかに関与ししているかについて先行研究の成果を総括した。そうしてこれらの成果に立脚しつつ、第4章では、日本人英語学習者を対象にした、第二言語メンタルレキシコンに関する、また第5章では、形式スキーマやチャンキングなど読解の基本過程に関する筆者による実験研究の成果を報告した。さらに、第6章では視覚提示語の意味アクセスとの関係で、第7章では書かれた文の意味理解との関係で、それらの心的な処理プロセスに、音韻符号化という音声言語の処理システムがいかに関係しているかに関し、日本人英語学習者を対象にした筆者自身の実証研究の成果を報告した。最終章(第8章)では、第二言語の読みにおける音韻処理機構の役割について新たな総括を行い、本論文の結論を呈示し、今後さらに追求すべき検討課題について列挙した。
     
  12. 日本人英語学習者の英単語親密度(文字編)--教育・研究のための第二言語データベース
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2006年9月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:くろしお出版
    概要:(pp.1-199) 編者:横川博一、共著者:池村大一郎、門田修平、松村優子、中西義子、西山正秋、境倫代、島本たい子、谷村緑、薮内智、山本みどり、横川博一、吉村満知子。第1章 単語認知研究の観点からみた親密度調査の必要性(pp.3-14)、第11章 第一言語語彙性判断課題・音読課題との相関:英語レキシコンプロジェクトのデータをもとに(pp.119-134)を分担執筆。本書は、日本人英語学習者を対象とした英単語親密度に関する研究報告およびデータベースを収めたものである。ある英単語を「どのくらいよく見聞きする」と感じているかについて数値化してデータベースを構築することで、様々な心理言語学・応用言語学実験はもとより、英語教育関連の調査等を行う際の要因の統制に、さらには各種の英語テスト問題作成や教育現場での語彙指導に大いに貢献すると考えられる。

  13. 英語語彙指導ハンドブック
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2006年9月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:大修館書店
    概要:(pp.1-328) 編者:門田修平、池村大一郎、共著者:池村大一郎、泉 惠美子、門田修平、溝畑保之、西山正秋、氏木道人、清水一郎、高田哲朗、横川博一。はじめに(pp.iii-iv)、第4章基礎知識Eなぜ語彙指導に語彙のネットワークを意識する必要があるのか(pp.141-150)、第5章基礎知識 なぜ言語の理解・産出にメンタルレキシコンが必要なのか(pp.167-175)、第6章 基礎知識B 単語の意味の取り出しに音韻情報は必要か、基礎知識C なぜ音韻化や音韻ループは新語の習得に必要か、基礎知識Dシャドーイング・音読は第二言語獲得を促進するのか(pp.194-205)、第8章 語彙はいかに蓄えられているか(pp.226-238)、第9章9.1 第一言語における語彙習得のモデル(pp.240-252)、第11章 バイリンガルレキシコン(pp.272-285)、おわりに:課題と展望最終章2.3 第二言語の処理過程研究のための単語の諸特性データベースの必要性を分担執筆するとともに、編者として本書全体の語句・文体等の統一、引用文献表の作成、索引の作成等を行った。本書は、先に松柏社より刊行した『英語のメンタルレキシコン:語彙の獲得・処理・学習』の姉妹編として刊行するもので、第二言語習得(SLA)としての英語の教育において、現在多くの人の関心を引いている、英 語ボキャブラリーの学習・指導の方法およびその背後にある基礎知識や理論的枠組みについて、9名の著者と編者が議論を重ね、その上で理論と実践を統合しようとしたひとつのモデルを提示しようとするものである。
     
  14. 新英語学概論
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2007 年1月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:英宝社
    概要:(pp.1-217) 編集:八木克正、分担執筆:八木克正、菅山謙正、神崎高明、田中 実、大室剛志、内田聖二、梅咲敦子、住吉 誠、中島直嗣、井上亜依、門田修平。第四部第Ⅰ章 人はいかにして言語を獲得するか、第Ⅱ章 人はいかにして言語を処理するか―心理言語学と神経言語学―(pp.1185-201)を分担執筆。本書は、それを詳しく勉強することで、英語学の世界の全体を知ることが出来る、新しい時代に適応した入門書である。
     
  15. シャドーイングと音読の科学
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2007 年2月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:コスモピア
    概要:(pp.1-274) 本書は、第二言語としての英語学習における、シャドーイングおよび音読トレーニングについて、それが何故効果的なのか、心理言語学、脳科学、認知心理学、音声学などの学際的な分野の知見を総合して解明しようとしたものである。次のふたつの効用があることが検証されている。(1)耳からの音声インプットに対する、音韻表象形成を自動化する。(2)心内の復唱(リハーサル)を高速化・自動化して、英語の語彙・構文などを全体として内在化できるようになる。ここ数年、ブームといってもよいほど注目されている「シャドーイング」と「音読」を取り上げ、英語ができるようになるプロセスを最新の知見・データにもとづいて解明しようとしたものである。
     
  16. ことばと認知のしくみ
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2007 年7月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:三省堂
    概要:(pp.1-409) 編集主幹:河野守夫、編者:井狩幸男、石川圭一、門田修平、村田純一、山根繁、分担執筆:井狩幸男、石川圭一、門田修平、魚崎典子ほか22 名。第6章 書きことばの処理における、【概説】(pp.295-296)、6.3  文処理のメカニズム(pp.321-340)、6.4 読みと音声の統合(pp.341-351)(長尾ちか子と共同執筆)を分担執筆するとともに、編者の一人として第6章を中心に、本書全体の語句・文体等の統一等を行った。言語に関する実証研究を扱った「ことばの科学」はいろいろな領域を包含しているが、本書ではそのうち、「言語獲得」「脳と言語」「バイリンガリズム」「話しことばの認識と生成」「音声言語の学習と指導」「書きことばの処理」を中心に研究の現状・今後の展望を試みている。
     
  17. シャドーイングと音読--英語トレーニング
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2007 年9月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:コスモピア
    概要:(pp.1-224) 監修:門田修平、著者:門田修平、高田哲朗、溝畑保之。はじめに(pp.2-3)、序章(pp.10-40)6.3、Part 1 Unit 3 Benefits of Water(pp.70-79)、Part 1 Unit 4 Interview with Hugh Grant and Drew Barrymore – Music and Lyrics(pp.80-92)、Part 2 Unit 3 Yukionna (pp.116-127)、Part 3 Unit 2 I am a Thousand Winds (pp.158-169)などを分担執筆するととも に、監修として本書全体の構成、語句・文体等の統一などを行った。理論書である『シャドーイングと音読の科学』の姉妹編として、先行書における考察をもとにして、シャドーイングや音読の学習法がいかにあるべきかを追求した結果生まれた新しいタイプの学習本である。
     
  18. 日本人英語学習者の英単語親密度(音声編)--教育・研究のための第二言語データベース
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2009 年1月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:くろしお出版
    概要:(pp.1-197) 編者:横川博一、共著者:池村大一郎、門田修平、松村優子、里井久輝、島本たい子、杉浦香織、中西弘、平井愛、薮内智、山本みどり、吉村満知子。第9章L1語彙データとL2文字・音声提示親密度との相関(pp.103-116)を分担執筆。本書は、日本人英語学習者を対象とした音声提示版の英単語親密度に関する研究報告とデータベースを収めたものである。既刊の文字編と同様、英単語を「どのくらいよく見聞きする」と感じているかについて数値化したデータベースを構築することで、音声提示を伴う心理言語学・応用言語学実験や、英語教育関連の調査等を行う際の要因の統制に、さらには各種の英語テスト問題作成や教育現場での語彙指導に大いに貢献すると考えられる。
     
  19. 英語教育学大系・リーディングとライティングの理論と実践--英語を主体的に「読む」・「書く」
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2010年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:大修館書店
    概要:(pp.1-277) 編者:木村博是、木村友保、氏木道人、共著者:池野修、卯城祐司、大井恭子、大森裕實、門田修平、金岡正夫ほか12名。第6章第二言語における語彙処理とそのモジュール性 (pp.74-89)を分担執筆。本書は、大学英語教育学会の創立50周年を記念して刊行された、『英語教育学大系』(全13 巻)の第10巻で、理論的な英語教育研究と英語教育実践の有機的統合を図り、大学英語教育学の確立と日本の大学英語教育の改善に資するという理念を持つものである。リーディングとライティングの理論と実践の中で、文処理の中で、語彙処理が占める位置づけに関するバイリンガル語彙処理モデルを提案したものである。
     
  20. 英語リーディング指導ハンドブック
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2010年5月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:大修館書店
    概要:(pp.1-416) 編者:共門田修平、野呂忠司、氏木道人、共著者:池田真生子、泉恵美子、門田修平、城野博志、高田哲朗ほか10名。まえがき(pp.iii-iv)、第5章基礎知識10 100万語多読(pp.221-225)、第7章7.2 リーディングにおいて眼球はいかに情報を受容するか:眼球運動研究の成果(pp329-334)、7.4文法力と読解力:文理解におけるパージング、7.5 日本人英語学習者によるガーデンパス文の処理(pp.347-354)を分担執筆するとともに、編者として本書全体の語句・文体等の統一、引用文献表の作成、索引の作成等を行った。本書は、我が国における外国語(第二言語)としての英語の教育において、これまでその中心的な位置を占めるリーディング(読解)の学習・指導の方法の詳細およびその背後にある基礎知識や理論的枠組みについて、計15名の著者と編著者が議論を重ね、その上で理論と実践の統合を試みたものである。
     
  21. SLA研究入門--第二言語の処理・習得研究のすすめ方
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2010年8月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:くろしお出版
    概要:(pp.1-215) 本書は、近年飛躍的な進歩を遂げつつある、認知的な観点からの量的SLA 研究(Quantitative SLA Research)に焦点をあわせつつ、その研究のためのノウハウを提示し、SLA 研究への平易でコンパクトな入門書を目指したものである。とりわけ、研究のためのアイデア、目的・仮説の設定、データ収集方法の模索など、研究計画をいかに作成し、実行に移して、データを収集・分析し、それを学会報告にどのようにまとめるかというダイナミックなプロセスを扱ったものになっている。
     
  22. シャドーイング・音読と英語習得の科学--インプットからアウトプットへ
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2009年1月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:コスモピア
    概要:(pp.1-364)本書は、第二言語としての英語学習における、シャドーイングおよび音読トレーニングについて、心理言語学、脳科学、認知心理学、音声学などの学際的な観点から解明しようとした前著2007『シャドーイングと音読の科学』(コスモピア刊)を受けて、シャドーイングや音読の効果についてその後の研究成果を、さまざまな理論的考察や、日本人英語学習者を対象にした実証データをもとに概観した。我が国で注目の学習法である「シャドーイング」と「音読」をもとに、英語ができるようになるプロセスを近年の知見・データにもとづいて解明しようとしたものであると言える。
     
  23. 話せる!英語シャドーイング
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2012年7月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:コスモピア
    概要:(pp.1-214) 監修:門田修平、著者:門田修平、柴原智幸、高瀬敦子、米山明日香。はじめに(pp.2-3)、第1章 多聴+シャドーイングのすすめ(pp.11-20)、第2章 効果的なシャドーイング学習(pp.21-36) 、第3章 ベンチマークで自己レベル判定(pp.37-85)を分担執筆するととも に、監修として本書全体の構成、語句・文体等の統一などを行った。既刊の『シャドーイングと音読--英語トレーニング』と同様の趣旨を持ったものでありながら、学習対象をシャドーイングのみに限定しつつ、シャドーイング練習からスピーキングの向上にいかに資するかを追求した学習トレーニング本である。
     
  24. 21世紀英語研究の諸相--言語と文化からの視点
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2012年9月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:開拓社
    概要:(pp.1-569) 編者:井上亜依、神崎高明、分担執筆:浅田寿男、堀智子、井上亜依、石川圭一、石川慎一郎、甲斐雅之、門田修平ほか23名。Applied Linguistics(応用言語学)定型連鎖と第二言語習得:理論的考察 (pp.504-519)を分担執筆。八木克正教授の定年退職を記念する論文集における本論は、反復プライミングによる潜在記憶形成という観点から、統語プライミングによる潜在学習およびシャドーイング・音読による内的リハーサルの強化という2つの観点から、第二言語としての英語の習得における定型連鎖獲得の重要性を指摘したものである。
     
  25. 英語音読指導ハンドブック--フォニックスからシャドーイングまで
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2012年10月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:大修館書店
    概要:(pp.1-409) 編者:鈴木寿一、門田修平、共著者:門田修平、川崎眞理子、川淵弘二、氏木道人、高尾渚ほか13名。序章(pp.3-7)、基礎知識(2)(pp.109-113)、基礎知識(5)、第10章(pp.304-319)、第11章11.1(pp.320-325) 11.2(pp.325-352)11.5(pp.348-356)11.7(pp.364-370)11.8(pp.370-376)11.10(pp.382-388)を分担執筆するとともに、編者として本書全体の語句・文体等の統一、引用文献表の作成、索引の作成等を行った。我が国の音読指導は、理論面で長足の進歩があり、実践面でも優れた音読指導が行われ、その効果も明らかになってきている。しかしながら、現場では音読指導は質量ともにまだ不十分であることも事実であり、この現状を改善すべく、音読の学習・指導方法の詳細およびその背後にある基礎知識や理論的枠組みについて、著者と編著者全員が議論を重ね、その上で理論と実践の統合を試みたものである。
     
  26. 現代社会と英語教育--英語の多様性をみつめて
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2014年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:金星堂
    概要:(pp.1-399) 編者:塩澤正、榎木薗鉄也、倉橋洋子、小宮富子、下内充、分担執筆:赤野一郎、井狩幸男、石川慎一郎、石川有香、榎木薗鉄也、大石晴美、門田修平ほか27名。Ⅲ.応用言語学・英語教育 第二言語習得における顕在学習と潜在学習:理論的考察 (pp.197-207)を分担執筆。本稿は、第二言語習得における顕在学習(explicit learning) と潜在学習(implicit learning) に関して、主に認知心理学の観点から、(1)認知的流暢性に関わる心理言語学的能力が、どのようなもので、いかにして構築された概念であるか、(2)心理言語学的能力獲得のための条件とは何か、つまりいかにして正確性(accuracy) を流暢性(fluency) に変換するか、に絞って考察したものである。
     
  27. 英単語運用力判定ソフトを使った語彙指導
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2014年8月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:大修館書店
    概要:(pp.1-178) 編著者:門田修平、野呂忠司、氏木道人、長谷尚弥、共著者:池村大一郎ほか7名。共同編集、共同執筆につき、本人担当部分抽出不可能。監修を兼ねた編者として、本書全体の語句・文体等の統一、引用文献表の作成、索引の作成等を行った。本書は、「知っている」という語彙力を,実際に「活用できる」語彙力に転化するための学習法,指導法を模索することの重要性に鑑み、日本人英語学習者に対する実証研究にもとづくComputer-Based English Lexical Processing (CELP)テストを開発し、それをもとに英語学習・教育実践への貢献をめざすもので、英語語彙の顕在的な知識とは異なる,語彙運用能力を測定するノウハウ(テスト)を,英語学習者および英語教員に提供しようとしたものである。
     
  28. 英語上達12のポイント
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2014年11月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:コスモピア
    概要:(pp.1-3709 一般に「母語習得」に失敗する人は、一部の人を除いてほとんどいないが、「外国語(英語)習得」に成功する人も、実はほとんどいないという現実を踏まえ、どうすればさまざまな不安・疑問を解消し、英語習得を成功に導けるか、そのポイントを最新の第二言語習得研究の成果をふまえて、12のポイントにまとめたものである。本書を読めば英語習得のポイントが手に取るようにわかるためのヒントが得られると考えられる。
     
  29. シャドーイング・音読と英語コミュニケーションの科学
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2015年11月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:コスモピア
    概要:(pp.1-375) 本書は、第二言語としての英語学習における、シャドーイングおよび音読トレーニングについて、それが何故効果的なのか、心理言語学、脳科学、認知心理学、音声学などの学際的な分野の知見を総合して解明しようとした前著『シャドーイングと音読の科学』を土台にしたものである。前著刊行後行われた実験研究、実践研究の成果をもちにして、シャドーイング・音読のトレーニングが、当初予測されたリスニング・リーディング力の向上や新規学習項目の記憶・定着(インテイク)だけでなく、英語など外国語の発話産出(スピーキング)のトレーニングとしても優れた効果があることを、コミュニケーションにおける同時多重処理能力の重要性とともに、新たに書き下ろした2章を設けることで、概観している。
     
  30. 英語スピーキング指導ハンドブック
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2016年5月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:大修館書店
    概要:(pp.1-388) 編者:泉恵美子、門田修平、共著者:稲岡章代、泉恵美子、門田修平、高田哲朗、竹下厚志、田中武夫、田縁真弓、溝畑保之、山本玲子。背景知識(8) (pp.203- 206)、理論編1音声言語習得モデル(pp.294-308)、2スピーキングモデル (pp.309-321)、6スピーキングの流暢性の獲得(pp.354-365)を主として分担執筆するとともに、編者として本書全体の語句・文体等の統一、引用文献表の作成、索引の作成等を行った。本書は、オーラルインタラクションやコミュニケーション能力の育成をターゲットにしつつ、英語スピーキングの指導法、学習法、評価法に関する基本的な考え方かつ具体的な実践例を提示したものである。その上で、英語教師が自身を持って英語スピーキングの指導ができることを目指した。
     
  31. 決定版英語シャドーイング(改訂新版)
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2017年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:コスモピア  
    概要:(pp.1-258) 共著者:門田修平、玉井 健。第1部:なぜシャドーイングは英語力を伸ばすのに効果があるのか(pp.11- 56)を分担執筆。本書は、2004年に刊行された第1版をもとに、ほぼ全面的に改訂、増補を行った新版である。第1部において、英語シャドーイングの効果について、最近の心理言語学や認知科学の成果をわかりやすく平易にまとめた旧版の内容を大幅に改訂・増補を行うとともに、第2部の実践編でも、多くの英文素材について新たな素材に差し替えを実施したものである。
     
  32. 外国語を話せるようになるしくみ--シャドーイングが言語習得を促進するメカニズム
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2018年5月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:SBクリエイティブ(サイエンス・アイ新書) 
    概要:(pp.1-208) ことばの習得をめぐる、隣接諸科学(言語学、音声学、認知心理学、認知科学、脳神経科学等の発展には目を見張るものがある。これを背景に、英語など外国語の学習についての第二言語習得研究も、特にここ十数年の間にめざましい進歩を遂げている。それらの領域の成果を集約すると、「インプット処理」「プラクティス」「アウトプット産出」「モニタリング」の4つのポイントである。本書は、外国語習得のこれら4つのポイントのそれぞれに、シャドーイングトレーニングが極めて効果的であることを、科学的な研究成果(実証データ)をもとに示し、可能な限り外国語を話せるようになるしくみを明らかにしようとしたものである。
     
  33. 英語リスニング指導ハンドブック 
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2018年8月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:大修館書店 
    概要:(pp.1-392) 編者:鈴木寿一、門田修平、共著者:門田修平、梶浦眞由美、里井久輝、菅井康祐、鈴木寿一、高田哲朗、竹下厚志、松井孝彦、溝畑保之、山本玲子。第1章(pp.3-11)、第15章1(pp.289-293)、7(pp.321-327)、第16章 (pp.335-334)を主として分担執筆するとともに、編者として本書全体の語句・文体等の統一、引用文献表の作成、索引の作成等を行った。本書は、近年の英語スピーキング重視の風潮の中で、その前提となるリスニングの指導法、学習法、評価法に関する基本的な考え方かつ具体的な実践例を提示したものである。そうして、英語教師が自身を持って英語リスニングの指導ができることを目指した。
     
  34. Shadowing as a Practice in Second Language Acquisition--Connecting Inputs and Outputs
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2019年5月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:Routledge
    概要:(pp.1-199) 本書は、主に英語と日本語の第二言語学習者から得られた実証データをもとに、入力音声をシャドーイングする認知プロセスについて検討し、シャドーイングが持つ第二言語習得の促進効果(インプット効果、プラクティス効果、アウトプット効果、モニタリング効果)について、理論的・実証的に明らかにしたものである。
     
  35. 音読で外国語が話せるようになる科学--科学的に正しい音読トレーニングの理論と実践  
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2020年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:SBクリエイティブ(サイエンス・アイ新書)
    概要:(pp.1-192) 同じサイエンス・アイ新書として刊行された『外国語を話せるようになるしくみ』の姉妹編として、外国語(英語)習得のキーポイントとなるIPOM、すなわち「インプット処理」「プラクティス」「アウトプット産出」「モニタリング」の4つを、音読がどのように支えて英語の発話力(スピーキング力)をつける基盤となるかについて、第二言語習得研究はもちろん、言語学、音声学、認知心理学、認知科学、脳神経科学等の隣接諸科学をもとに理論的実証的に検討したものである。

  36. フォーミュラと外国語学習・教育
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2020年9月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:くろしお出版
    概要:(pp.1-190) 編者:金澤佑、分担執筆:生馬裕子、泉惠美子、磯辺 ゆかり、門田修平、金澤佑、里井久輝、ほか13名。終章(pp.139-149)、エピローグ(pp.157-160)を分担執筆。終章は、トマセロによる母語獲得の用法基盤モデルについての概要を示し、第二言語習得への多読・多聴学習の効果について、①Krashen(1985)のインプット理論よりも、②Kadota(2019)インプット駆動型プラクティスの効果という観点からの説明が、第二言語の用法基盤アプローチにつながることを議論したものである。また、エピローグは、第二言語習得における否定証拠の意義について考察したもので、それがなくても肯定証拠のみから構築された言語システムが、第二言語習得使用者(ユーザー)の言語能力を構成している実態であることを示唆したものである。
     
  37. 英語リーディングの認知科学:文字学習と多読の効果をさぐる
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2021年9月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:くろしお出版 
    概要:(pp.1-205) 共著者:門田修平、高瀬敦子、川﨑眞理子。序章(pp.1-12)、第1章4(pp.28-32)、第2章(pp.33-62)、第3章(pp.63-93)、終章(pp.169-181)を分担執筆。英語など第二言語のリーディングの習得をささえる認知プロセスについて検討したもので、とりわけ、読みの入口にあたる文字言語のディコーディング(音韻符号化)や、読みの情報処理を支えるワーキングメモリシステムについて重点的に取り上げ、その上で、新たに導入された小学校英語活動・教育における文字学習と、英語の潜在的・非明示的習得を促進する多読・多聴学習をどのように実践すると効果的であるかについて解説した書籍である。
     
  38. 英語学習の科学
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2022年4月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:研究社
    概要:(pp.1-231) 編者:中田達也、鈴木祐一、共著者:濱田陽、門田修平ほか8名。第5章(pp.73-90)を分担執筆。英語を習得するには、大量のインプットを受けることが欠かせない。リスニングやリーディングによるインプットがなければ、新たなことばは一切頭の中に入ってこない。また、音声言語をもとにした双方的なコミュニケーションが成立するには、相手の話を聞いて理解すること(=リスニング)が必須である。その上で、理解した発話の意味(意図)を元にどう反応するかを考え、発話内容(メッセージ)が決まったら、それを言語化して発音することになる。本章では最新の研究成果を基に、効果的なリスニング学習法について解説した。
     
  39. 英語の多聴多読最前線
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2022年5月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:コスモピア
    概要:(pp.1-220) 編者:コスモピア編集部、共著者:古川昭夫、西澤 一、高瀬敦子、門田修平、田中茂範ほか4名。Part3 多読・多聴と音読・シャドーイングのよい関係(pp.144-153)を分担執筆。どのようなプロセスで多読によるインプットはアウトプットにいたるのかについて、インプットをアウトプットにつなぐ多読・多聴と音読・シャドーイングのよい関係について理論的に検討した。

  40. 社会脳インタラクションを活かした英語の学習・教育:やりとりの力を伸ばす
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2023年9月 
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:大修館書店
    概要:(pp.1-262<最終校正済>) ここ十数年来、人の社会的対人能力をめぐる脳神経科学の発展には目を見張るものがある。しかしこのような社会脳に関する基礎研究の成果を、英語など第二言語の学習者や教育者向けにきちんと科学的に明らかにし、教室実践にいかに応用するかを追求した書籍はこれまで皆無である。本書は,言語コミュニケーションを支える脳内基盤が、認知脳ネットワークベースの認知システムだけでなく、社会脳・情動脳ネットワークが支える社会認知システムに大きく依存するという考え方をもとに、その視点から英語など第二言語の学習・教育を見直し、他者との相互交流(相互行為)を実現する「社会脳インタラクション能力」を身につけるにはどうすればよいか、そのための学習法・教育法を可能な限り追求したものである。
 

学術論文

  1. A Psycholinguistic Study on the Process of Reading Comprehension of Japanese Learners ofEnglish as a Foreign Language(修士論文)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:1980年12月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:神戸市外国語大学大学院
    概要:(pp.83) 本論は、日本人英語学習者の読解のメカニズムについて心理言語学実験の手順を踏んだ実証研究である。研究対象としたテーマは、日本人英語学習者の読解の際の最小の処理単位、読解単位の柔軟性、英語の熟達度と読解単位の関係、読書速度と読解単位の相関、英語の語彙力と読解力の関係、英文の短期記憶における意味内容の重要性、内容語と機能語の記憶率などであった。
     
  2. Some Psycholinguistic Experiments on the Process of Reading Comprehension
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:1982年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:被昇天女子短期大学紀要 第9号
    概要:(pp.49-70) 本論は、第一言語および第二言語における読解技能について過去の心理言語学研究の成果を詳しく概観すると同時に、外国語として英語を学ぶ日本人学習者の英文読解のメカニズムについて、その読解の際の処理単位の大きさや意味重視の処理方略に焦点をあてつつ、実証的検討を加えたものである。本研究は、読解の心理言語学的モデルの構築のためのみならず、教材作成など読解教育という実践的な側面においても有益な論拠を提供するものである。
     
  3. Subvocalization and Processing Units in Silent Reading
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:1984年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:被昇天女子短期大学紀要 第11号
    概要:(pp.29-58)本論は、読解中の心理的音声化現象 (Subvocalization)の存在について証明したこれまでの実証研究や、それが読解の過程においていかなる役割を担っているかに関する先行研究を概観するとともに、日本人の英語学習者を対象にして実施した筆者自らの実験結果について報告したものである。本論の実験の目的は、心理的音声化の存在ならびにWritten Discourseの処理におけるその役割を明らかにすることであった。(本論は、1985年5月に日本カトリック短期大学連盟学術研究奨励賞を受賞した。)
     
  4. Readingの見直しを  
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1984年12月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:語法研究と英語教育第7号(山口書店)
    概要:(pp.89-120) 共著者:門田修平、東淳一、野村和宏、山根繁、梅田 修、D.Kolf。Ⅰ. Reading研究の動向(pp.90-95)  Ⅱ.Subvoca-lizationについて:Listeningとの関連(pp.95-103)を分担執筆。Ⅰについては、読解についての2つの理論的背景(Bottom-up Processing Model、 Top-down Processing Model)に、読解における処理単位のサイズについて関連する心理言語学研究の動向について、筆者自身の研究成果も踏まえて議論したものである。また、Ⅱについては、読解中の心理的音声化(Subvocalization)に関し、その存在、形式、機能、役割などを明らかにしようとした実証研究の動向を、筆者自身の研究成果も踏まえて概括的に報告したものである。
     
  5. Cloze Procedure and Processing of Discourse
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:1985年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:被昇天女子短期大学紀要 第12号  
    概要:(pp.13-39)。外国語評価の領域で1970年代以降脚光を浴びるに至ったテストにCloze法がある。本論は、このCloze法について過去の理論的、実証的研究の成果を簡単に報告し、最近の読解過程についての心理言語学理論に言及した上で、それが文を越えたDiscourseレベルの言語理解力を測定する手段としても妥当性を持つものであるかどうかについて実証的に検討したものである。
     
  6. Readingの見直しを(2)    
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1986年10月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:語法研究と英語教育第8号(山口書店) 
    概要:(pp.89-120) 共著者:門田修平、河野守夫、村田純一、冨田かおる、澤村文雄。Ⅰ.ReadingとListening、Speakingの関係について(pp.89-100)を分担執筆。これまでReadingについての研究は、その心理言語学的メカニズムに関するかぎり、Listening、 Speakingについての音声学研究とは別個の領域においてそれらとは直接的な関連性を持たないものという前提の下に行われてきた。本論は、自らによるこれまでの成果をまとめて概括的に報告すると同時に、以上の3つの言語運用過程の間にいかなる共通の心理言語学的基盤が見いだせるかについて独自の理論的見解を提示したものである。
     
  7. The Process of Speech Production--An Analysis of Pauses
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:1986年12月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:英語英文学新潮NCI論叢1986(ニューカレントインタ-ナショナル社)
    概要:(pp.381-398) ことばの生成については、これまで発話中のポーズや言い誤りについての観察からそのメカニズムについて論議されてきた。本論は、このような過去の研究動向を踏まえて、日本人英語学習者のSpeech産出の過程に関して、とりわけ言語生成の単位(Unit)や、いい直し(FalseStart) などの問題に焦点を当てつつ、理論的・実証的に明らかにしようとしたものである。
     
  8. 日本語の読解と心理的音声化現象  
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:1987年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:被昇天女子短期大学紀要 第13・14合併号 
    概要:(pp.83-102) 日本語について伝統的には、音節文字である仮名は音声に転換して初めて意味が分かるという音声処理経路をたどるのに対し、漢字は表意文字であるという性格から音声の介在しない直接的な視覚的処理をしているという見解が一般的である。本論は、心理的音声化の果たす認知的役割が原則的にどの言語にも当てはまる普遍性を備えたものではないかということを、日本語について実証的に検討することにより、示唆しようとしたものである。
     
  9. The Role of Prosody in Silent Reading
    単著・共著の別:単著 
    発行又は発表の年月:1987年10月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:Language Sciences Vol.9, No.2.(The East-West Sign Language Association)    
    概要:(pp.185-206)本論は、読解と音声の関係について心理言語学研究の現状を報告し、最近の音声学研究におけるリズム重視論の成果を紹介した上で、読解においてもリズム等が認知的な情報処理機能を果たしているという考え方に対し実証的検討を試みたものである。本論の成果はこれまで別個の独立した技能として考えられてきたReadingとListeningなどの音声技能が、実は共通の心理言語学的基盤をもっていることを示している。
     
  10. 作文評価における客観的指標の妥当性   
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:1990年1月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:英語英文学新潮NCI論叢1990 
    概要:(pp.339-350) 本論文では、作文力、とりわけ書き手の統語的成熟度を測定するための様々の客観的指標(e.g.節の長さ、T-Unitの長さ、Error-free T-unitの長さ、従属指標など)についてのこれまでの内外における応用言語学研究の成果を概略的に要約するとともに、以上のような指標の妥当性に関して、筆者自身日本人短期大学生による英語作文を分析して得た実証データにもとづき検討したものである。
     
  11. 読解とスピーチの関係についてのモデル試案  
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:1990年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:英語英文学論叢  第13号(龍谷大学英語英文学研究会)
    概要:(pp.38-51)本論は、読解と音声の関係について、これまでの内外の研究蓄積、並びに筆者自身の実証データにもとづいた一応の理論化であり、ある試案的な読解の心理言語学モデルを提案することによって、今後の実証研究の一つの方向性を示唆しようとしたものである。
     
  12. テキスト処理とクローズ法の妥当性—Narrative Proseによる実証研究
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:1990年8月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:龍谷紀要第12巻第1号(龍谷大学龍谷紀要編集会)
    概要:(pp.95-110) 本論は、クローズ法の妥当性、及びテキスト理解に関するスキーマ理論の影響について過去の応用言語および心理言語学の成果を素描した上で、あるストーリーの展開を追うNarrative Textの場合に、クローズ法が学習者の談話レベルの情報処理能力を測定する手段として妥当性を持つか、またKadota(1985)の研究したExpository Textの場合と比べていかなる違いが見いだせるか検討するため実施した日本人英語学習者を対象とするクローズ実験の報告である。その結果、スキーマの違いなどTextualな要因は、採点法としてどんな方法を採用するかといったことよりもはるかに強い影響を持つことが示され、今後さらに実証的検討を積み重ねることによって、外国語評価法の改善に役立つ知見を提供するだけでなく、人のテキスト理解過程がどのようなものかについて直接触れる研究になる可能性があることが示唆されている。
     
  13. The Contribution of Rhythm to Reading     Japanese
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:1990年8月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:The Sixteenth LACUS Forum 1989 (Linguistic Association of Canada  and the United States) 
    概要:(pp.356-365) 本論は、日本語読解過程における漢字・仮名処理の心理機構に関する成果を概観し、英文読解におけるリズム等プロソディの機能に関する筆者の理論を踏まえた上で、日本文読解にもリズムの等時性が関与しているかどうかについて実験的検討を行ったものである。
     
  14. 日本語と英語のスピーチにおけるポーズの分析
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1990年9月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:Helicon 第15号(帝塚山短期大学英米文芸専攻教室)
    概要:(pp.71-87) 共著者:山根繁、門田修平、野村和宏。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。本論文では、英米人と日本人にイソップ寓話の朗読、並びに再生の作業を与え、正確に書き取ると共に、UPやFPの位置を聴覚的方法で判断したものである。その結果、母国語・外国語のPlanning Unitの大きさなどについての示唆、及び外国語としての英語・日本語音声言語獲得過程にみられる普遍性・共通性の可能性など重要な指摘がなされている。
     
  15. 話しことばを科学する --プロソディをめぐって(2)    
    単著・共著の別:共著
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:1990年11月 語法研究と英語教育 第12号
    概要:(pp.91-120) 共著者:野村和宏、伊藤弘子、門田修平、増田喜治。Ⅲ.プロソディとReading(pp.106-112)を分担執筆。本稿は、読解中のリズムの役割について数年来の筆者の研究成果をまとめて報告すると同時に、読解において音韻的な情報処理経路と視覚的な全体的処理チャンネルの存在の可能性を示唆した筆者自身の試案的読解モデルの概要を示したものである。
     
  16. 英文および日本文の読解と処理単位
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1992年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:社会科学研究年報 第22号(龍谷大学社会科学研究所) 
    概要:(pp.137-153) 共著者:門田修平、多田実。(pp.137-153)共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。本論は龍谷大学社会科学研究所共同研究(『日本人のための英文読解システム-ファジィCAIの構築に向けて-』研究代表者・門田修平)として1991年度より3年間の予定でスタートした研究成果の一部を成すものである。これまでの門田による、日本人英語学習者の英文読解単位に関する研究をさらに発展させると同時に、日本語についてもその処理単位を特定しようとした試みである。
     
  17. スピーチ中のポーズの長さについての検討
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1992年6月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:英語英文学新潮NCI論叢 1991
    概要:(pp.497-513) 共著者:山根繁、野村和宏、門田修平。(pp.497-513)共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。本論は、日本人と英米人にそれぞれ日本語と英語で、物語の朗読及び再生を課し、その際のUnfilled Pauseについてその長さを電磁オシログラフを用いて機械的に測定したものである。その結果は、英米人が文構造を正確に反映させてポーズを置くなど日本人よりも会話術に長けており、音声言語産出について社会・文化的背景の違いがみられることを浮き彫りにするとともに、1000ms以下の短いポーズの場合には語学力や文化的差異などを区別する認知的な役割を果たしているなど、ポーズの心理言語学的意味合いについても貴重な知見を提供している
     
  18. The Effect of Concurrent Vocalization on Reading and Listening Comprehension
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1992年8月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:The Proceedings of the 2nd International Conference on Foreign Language Education and Technology(The Language Laboratory Association of Japan & The International Association    for Learning Laboratories)
    概要:(pp.135-144) 共著者:門田修平、多田実。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。英文読解中のSubvocalizationについて検討する際にしばしば、Concurrent Vocalizationを黙読と同時に与えるという課題が用いられるが、これについてその有効性を疑問視する海外の報告も散見される。本論は、このような干渉課題の妥当性を、外国語として英語を学ぶ日本人学習者を対象にした心理言語学実験をもとに検討しようとしたものである。
     
  19. ことばの障害とスピーチ中のポーズ
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:1993年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:龍谷紀要第14巻第2号
    概要:(pp.117-130) 本論は、日本語の生成におけるプランニング段階に焦点をあてつつ、とりわけいっきに計画・産出されるEncoding Unitsがいかなる特徴を備えたものであるかというテーマを中心に、比較的軽度の失語症、麻痺性構音障害など言語障害患者の発話中にみられるポーズ長について分析し、門田によるこれまでの研究成果(日本人の非障害者のポーズデータ)との比較対照を行ったものである。
     
  20. 英作文指導法としてのRewritingの効果
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1993年9月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:時事英語学研究第32号  (日本時事英語学会)
    概要:(pp.55-69) 共著者:深山晶子、Judy Noguchi、西嶋久雄、門田修平、栗原優。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。日本人学生の書いた作文の分析から得られたT-Unit等各種客観指標と別に実施したClozeテストとの相関分析から、英作文指導においてRewritingを効果的に導入するにはどうしたらよいかを考案しようとしたものである。
     
  21. 言語の評価論  
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1993年11月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:語法研究と英語教育第15号
    概要:(pp.87-118) 共著者:竹内理、門田修平、有本純、大原始子。Ⅱ.クローズ法と形式スキーマ(pp.96-104)を分担執筆。本稿は、筆者によるこれまでのクローズ法研究の実証研究の成果を報告した上で、特にテスト対象とする英文の形式スキーマの違いにより、ディスコ-スレベルの英文処理能力を測定する手段としてのクローズ法の妥当性がいかに異なってくるかについて論じたものである。
     
  22. 英文の聴覚・視覚提示と作業記憶--日本人EFL学習者を対象として
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:1994年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:論攷 英米文化研究XXII(関西学院大学)
    概要:(pp.123-145) 本論では、まずReadingとListeningの間に本来いかなる類似点・相違点がみられるかについて、その一部をこれまでの先行する心理言語学研究を踏まえ考察した。その上で、外国語として英語を学ぶ日本人大学生を対象に、聴覚的・視覚的に英文を提示し、その作業記憶域や英文の再生率、誤答傾向などを分析した実験結果を報告することで、彼らの音声言語処理と視覚言語処理過程の相互関係についてその一端を探ろうとしたものである。
     
  23. CAIシステムにおけるファジイ理論の適用--英文読解知的CAI設計にむけて
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1994年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:社会科学研究年報第24号
    概要:(pp.16-29) 共著者:多田実、門田修平。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。学習者の能力や状況に応じて指導法が異なる、優秀な「家庭教師」が学習者の特質を見極めながら指導していくようなコンピュータ支援の教育システムを「知的CAI」と呼ぶ。本論は、このような知的CAIの題材として、日本人のための英文読解システムを想定し、従来の人工知能による推論ではなく、ファジィ推論を用いて、より現実的な指導ができるシステムの構築に向けて、いかなる問題点があるかについて、読解に関する心理言語学・応用言語学的な観点と、ファジィ理論の観点から論じ、システム構築の際の処理内容や留意点について考察したものである。
     
  24. 英文テキストタイプの実証的分析--読解ストラテジー活性化の要因を探る
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1994年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:外国語外国文化研究 IX(関西学院大学法学部外国語研究室)
    概要:(pp.17-49) 共著者:門田修平、野口ジュディ。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。読み手は各種英文の読解に際し、それぞれのテキストタイプに応じた読解ストラテジーを活性化して理解しようとする。本論は、(A)小説、(B)論文、(C)新聞記事、(D)ビジネス英語、(E)法律文、(F)高校教科書などの英文テキストタイプについて計量的な調査を実施することにより、それらの指標がいかにして特定の読解ストラテジー選択のための手掛かりを提供する可能性があるのか、実証的に探ろうとしたものである。
     
  25. 英作文におけるRewriting--各種客観指標による実証的分析
    発行又は発表の年月:1994年9月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:英語英文学新潮NCI論叢1993-94 
    概要:(pp.55-67) 共著者:門田修平、深山晶子、西嶋久雄、栗原優、野口ジュディ。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。本論は、日本人英語学習者を対象に、Rewritingの指導としていかなる方法をとれば適格に学習者の意欲を引き出し、効果的な書き直しをさせることができるかについて実証的な観点から検討すべく、4種類のRewritingの方法と、T-UNITの語数、受動態の割合、従属指数、ERROR-FREE T-UNITの割合等作文の各種客観的指標との関係を定量的に見極めようとした研究プロジェクトの中間報告である。
     
  26. マルチメディアと英語教育
    発行又は発表の年月:1994年11月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:語法研究と英語教育第16号
    概要:(pp.89-121) 共著者:杉森直樹、多田実、門田修平、長岡明、野村和宏。Ⅱ.英文読解のための知的CAI設計におけるファジィ理論の適用(pp.97-100)を分担執筆。外国語教育専門家の「エキスパート性」をいかにしてコンピュータに持たせるかについて検討するべく、本論は、外国語としての英文読解力育成のための知的CAIシステム(ITS:Intelligent Tutoring System)の設計に関し、いわゆる「ファジィ理論(Fuzzy Set Theory)」を適用することを提案し、その実現に向けていかなる可能性が模索できるか議論したものである。
     
  27. Conjunction Relationships in College Student Writing--Why So Many?
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1994年12月 
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:武庫川女子大学紀要人文・社会科学第42号(武庫川女子大学)    
    概要:(pp.117-124) 共著者:野口ジュディ、西嶋久雄、門田修平、栗原優、深山晶子。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。but、 so、 and、 becauseなどの接続詞を文頭で多く使用するのは、日本人英語学習者の作文に顕著にみられる特徴である。本論は、このような特徴がいかにしてみられるかを探るべく、大学生による作文、高校教科書、英字新聞社説において、上記接続詞を文頭でどの程度使用しているか検討したものである。
     
  28. 英作文の能率的な評価法--Point Method
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1994年12月 
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:『言語の世界』第12巻第1/2合併号(大東文化大学言語研究学会)  
    概要:(pp.107-139) 共著者:栗原 優、門田修平、野口ジュディ、西嶋久雄、深山晶子。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。英作文の採点に際して、誤りのタイプを5種類に分け(Mechanical Errors、Lexical Errors、Syntactic Errors、Semantic Errors、Discourse Errors)、それぞれの誤りにどのような減点配分をすると妥当性が高くなるかを調べるべく、A~Gの計7種類の配分方法を比較検討した報告である。
     
  29. 英作文の評価法--Holistic Scoringと文レベル及び文の単位を越えたレベルのScoringとの相互関係  
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1995年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:神戸国際大学紀要第47号(神戸国際大学) 
    概要:(pp.1-12) 共著者:西嶋久雄、門田修平、野口ジュディ、深山晶子、栗原優。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。作文評価の方法として、信頼性はともかく比較的妥当性が高いと考えられてきた、全体的評価法(Holistic Evaluation)について、(1)その評者間の信頼性、(2)Holistic Evaluationにおいて最も影響を及ぼすのは、Discourse指標、客観指標、誤答指標のうちいずれか等の問題を応用言語学的な観点から検証したものである。
     
  30. マルチメディアを考慮した知的英文読解システム
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1996年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:社会科学研究年報第26号(龍谷大学)
    概要:(pp.103-110) 共著者:多田実、門田修平。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。外国語教育とマルチメディアという視点からこれまでの研究・実践報告例について議論し、その上でマルチメディア時代にふさわしいソフトウェアの一形態として、インタラクティブな要素を考慮した英文読解システムの構築について提案したものである。今後のマルチメディア志向の外国語教育にとって鍵となる方向性に関する示唆を含む。
     
  31. 視覚および聴覚提示文の処理における音声的干渉課題の影響    
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:1997年4月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:ことばとコミュニケーション:外国語教育研究へのニューアプローチ 第1号(英潮社)
    概要:(pp.32-44) 日本人大学生を対象に、Concurrent Articulation(同時構音)という干渉課題が、英文の視覚言語処理、聴覚言語処理にそれぞれいかなる影響を与えるか(二重処理課題)について、実証的に検討したものである。その結果、Con-current Articulationの影響は視覚提示文の記憶には干渉するが、聴覚提示文の記憶にはあまり顕著な干渉がないことが判った。音声言語と書記言語の違い、ワーキングメモリ(Working Memory)における音声刺激・視覚刺激の処理過程の違いが反映しているのではないかと考えられる。
     
  32. 日本人EFL学習者の読解ストラテジーに関する調査      
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1997年4月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:大学英語教育学会関西支部紀要第4号(大学英語教育学会関西支部)
    概要:(pp.66-74) 共著者:池野修、門田修平、木村真治、木村裕三、野呂忠司、その他7名。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。外国語として英語を学ぶ日本人大学生・高校生を対象に、読む際の読解ストラテジーの使用を彼らがどのように認識しているか(Metacognitive Awareness)について、Carrellや津田塾グループなどの先行研究において開発されたアンケート調査をさらに改善した調査票を作成し、質問紙法による検討を加えたものである。
     
  33.  FL Reading and Multimedia--Psycho-linguistic Views      
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1997年8月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:On JALT96: Crossing Borders(The Japan Association for Language Teaching)
    概要:(pp.80-81) 共著者:門田修平、多田昌夫、清水裕子、木村真治。Overall SummaryおよびHow Phonology Contributes to Silent Readingを分担執筆。本論は、英文読解における音韻符号化(Phonological Coding)の役割に焦点を当て、いかにして音韻符号化が、統語的・意味的過程とともに、書記言語と音声言語の運用過程を統合する理論的基盤を提供するかについて、これまでの心理言語学データをもとに議論したものである。これにより、いかにして人の言語処理プロセスのマルチメディア性が達成されるのか、その概要について示唆しようとした。
     
  34. Strategies in Answering Cloze Items--An Analysis of Learners' Think-aloud Protocols    
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1997年11月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:JACET Bulletin No.28 (Japan Association of College English Teachers)  
    概要:(pp.207-222) 共著者:吉田信介、平井明代、門田修平、吉田真美、吉澤清美、その他8名。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。本論は、日本人英語学習者の読解ストラテジーについて探る手掛かりにすべく、英文クロ-ズテストに解答する際にどのような手掛かりを利用しているかについて、発話プロトコルの技法(Think-aloud Protocols)を用いて分析した仮説探索型の研究である。主な分析対象は、クロ-ズブランクの解答順、ローカルおよびグローバルな言語手掛かりの使用、クロ-ズスコアとの関連などであった。
     
  35. 英単語の意味理解におよぼす語の出現頻度と長さの影響    
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:1998年7月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:ことばとコミュニケーション:外国語教育研究へのニューアプローチ 第2号
    概要:(pp.27-40) 視覚提示された英単語のアクセス(意味の把握)に影響すると考えられる語の出現頻度および長さについて、日本人大学生を対象に、その日本語訳語の選択の際の正答率、反応時間から、その影響を検討した報告である。その結果、語の長さ(文字数)よりも語の出現頻度レベルが有意に影響することが確認されている。
     
  36. Reading Strategies of EFL Learners in Japan    
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1998年8月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:Foreign Language Education and Technology: Proceedings of the 3rd Conference
    概要:(pp.417-430) 共著者:若本夏美、枝澤康代、福地美奈子、門田修平、中西義子、野口ジュディ、梅田巌。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。本論は、日本人大学生・高校生を対象に、新聞記事をテキストにした読解テストを課し、その際に使用した読みのストラテジーについてのアンケートを独自に作成した質問紙法により実施した調査報告である。その結果、大学生が高校生よりもより多くのストラテジー(特にTop-down Processing Strategies)を使用しようとしていることが確認された。
     
  37. 視覚提示された英単語ペアの関係判断--正答率・反応時間による検討    
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:1998年12月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:外国語外国文化研究XI(関西学院大学法学部外国語研究室)
    概要:(pp .205-220) 本研究は、日本人大学生を対象に、視覚提示された英単語のもつ語彙範疇情報、音韻情報、意味情報のうちどの語彙情報に対するメンタルレキシコンからの検索がされやすいかについて心理言語学的検討を加えたものである。すなわち、パソコンのディスプレイ上に、英単語2語のペアを同時に視覚提示し、ペアの2語の間にどのような関係があるか推測させる課題を与え、その際の正答率および反応時間を測定した。その結果、(1)意味の同一性の判断は、語彙範疇、音韻関係の同一性の判断よりも把握されにくい傾向があるものの、(2) 英単語ペアの音韻的関係の推測と意味的関係の推測の時間的順序関係に関して何ら有意な違いが存在しないことが判った。
     
  38. 読解における処理単位--英文の提示単位が理解度および処理時間におよぼす影響   
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1999年8月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:ARELE(Annual Review of English Language Education in Japan)Vol.10(The Federation of English Language Education Societies in Japan)
    概要:(pp.61-71) 共著者:門田修平、吉田信介、吉田晴世。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。本研究は、日本人大学生の英文読解について、これまで門田が行ったpost-reading型の理解度テストによる検証とともに、テキストの読みに要した時間(英文中の各々の節、句、語の処理時間)を指標とした分析を行うことで、彼らの読みにおける内的符号化の単位(Chunks)のサイズを特定しようとしたものである。採用した実験方法は、筆者による先行研究と同様、パソコンのディスプレイに提示される視覚入力を操作するというものであった。
     
  39. 英文クローズの出現順の推測におけるInterclausal Relationsの及ぼす影響--日本人英語学習者に関する応用言語学研究  
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2000年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:言語と文化 第3号(関西学院大学言語教育研究センター) 
    概要:(pp.1-18) 日本人英語学習者を対象に、2つのテキスト構成要素間論理関係(Interclausal Relations)のうち、どのような関係が理解しやすいかに関する先行研究の成果を受けて、本研究では、パソコンのディスプレイ上に視覚提示された2つの英文クローズの出現順がどうなっているかの推測に各々のInterclausal Relationsがいかに影響するかについて、反応潜時を含めた各種実証データを収集することで探ろうとしたものである。その結果、Temporalという時間的要因に関わるクロ-ズの出現順序推測が、人の概念構造に容易に取り込まれ易いことなど、外国語として英語を学ぶ日本人学習者のミクロレベルのテキスト理解過程の解明に向けて実質的な知見が提供されている。
     
  40. 英単語・漢字単語の視覚認知における同音異義語ペアおよび類義語ペアの影響    
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2000年6月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:ことばの科学研究 第1号
    概要:(pp.51-66) 共著者:門田修平、石川圭一。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。本論は、これまで筆者らによって採用されてきた、サブボーカルリハーサル抑制を、視覚提示語の処理とともに課すといういわゆる二重処理課題をする代わりに、視覚提示された英単語および日本語漢字単語のペアが、同音異義語ペア・類義語ペアである場合に、それらのペアの音韻・意味情報へのアクセスがいかに影響されるかについて、日本人大学生を対象に調査したものである。その結果、(1)同音異義語ペアの場合、単語ペアの意味情報へのアクセスが促進されること、(2)語の音韻情報へのアクセスに、意識的な操作を経る精緻音韻化(Elaborate Phonological Activation)と自動的音韻化(Automatic Phonological Activation)の2つが仮定できることが示唆されている。
     
  41. 日本人EFL学習者における英語の文理解と語彙処理能力の関係    
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2001年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:外国語教育メディア学会関西支部研究集録 第8号
    概要:(pp.57-67) 共著者:倉本充子、松村優子、吉田信介、野呂忠司、吉田晴世、門田修平。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。これまで外国語としての英語におけるリーディング研究では、背景知識やスキーマの役割などトップダウン処理に焦点をあてる傾向が強かった。これに対し、近年になってようやく外国語としての英語の読みの研究においても、文の意味理解における語彙処理などボトムアップ過程の役割について研究することの必要性が意識されるようになった。本研究では、正書法や音韻などの語彙情報の処理能力と英語の文を理解する能力とがどの程度関係しているのか、また、それぞれの課題遂行の際にはどのような判断基準に基づいているのかについて、ペーパーテスト形式のテストを実施し、得られた調査結果について報告したものである。
     
  42. 第二言語メンタルレキシコンにおける音韻および意味ネットワーク:日本人英語学習者に対する語の自由連想研究   
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2001年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:言語と文化 第4号(関西学院大学言語教育研究センター) 
    概要:(pp.71-83) 外国語としての英語におけるこれまでの語彙習得研究では、母語における語の意味獲得段階のうち、①ラベリングや②パッケージングといった、語義やその用法の習得過程にもっぱら関心が向けられてきた。それに対し、③語彙ネットワークの構築過程については、語彙知識の深さに関係する重要な指標であるとは言われるものの、未だ外国語としての英語の語彙研究の対象にはなっていない。本論は、日本人英語学習者のメンタルレキシコン内の語彙のネットワーク構造(Lexical Network Structure)解明への一つの手掛かりとして、語の自由連想(Free Word-association)課題を与えた結果について報告し、その結果得られた連想語の分析から、メンタルレキシコンにおける、語の音韻ネットワークおよび意味ネットワークの連結性・緊密性について検証したものである。
     
  43. The Qualitative Effects of Text Organization on L1 and L2 Reading Comprehension 
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2001年6月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:Language Education and Technology No.38 Japan Association for Language Education and Technology)
    概要:(pp.1-19) 共著者:吉田真美、吉田晴世、吉田信介、門田修平。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。本論は、日本人大学生を対象に、英文テキストのレトリック構造が、筆記プロトコルを指標とした英文読解力の測定にいかに影響するかについて実証的に検討したものである。結果は、筆記再生を量的な観点から分析した際には有意な差は見られないものの、再生された情報の質的な分析からは、顕著な違いが検出できるというものであった。
     
  44. 日本人大学生を対象にした英語クロ-ズテストの項目分析--ディスコ-ス処理能力との関係を中心に    
    単著・共著の別:単著
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:2002年3月 言語と文化 第5号 (関西学院大学言語教育研究センター)  
    概要:(pp.63-78) ゲシュタルト心理学の群化の法則の一つである「閉合の原理」をヒントに、Taylorが開発した、クローズ法が、読解の高次の機構である、談話レベルの意味処理を読み手に要求する課題であるかどうかについては、賛否両論があり、現在でも必ずしも意見が一致していない問題である。本論は、門田によるこれまでの研究の続編であり、既に報告された包括的な初期データに対しさらに、各クローズ項目間の正答率を比較する項目分析を行い、それがSequentialとかScrambledといったクロ-ズテストのタイプ、採点法によって、どう影響されるか変動するかどうかを中心に、実証的に検討したものである。
     
  45. Lexical Networks in L2 Mental Lexicon--Evidence from a Word-Association Task for Japanese EFL Learners    
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2002年6月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:Language Education and Technology No.39(Japan Association for Language Education and Technology)
    概要:(pp.85-98) 共著者:横川博一、薮内 智、門田修平、中西義子、野呂忠司。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。本論は、日本人英語学習者による、英語の語彙連想に関する門田による先行研究を受けて、同様の連想課題を用いて、メンタルレキシコン内の語彙項目間の意味的ネットワークについてその実態を、英語および日本語単語を素材に検討したものである。その結果、(1)通常の抽象・具象語を刺激語にしたときには、シンタグマティクな連想反応が多いが、(2)上位カテゴリー語に対する連想は、パラディグマティックなものが多い、(3)そしてこのパターンは、英語および日本語で同様であることなどが明らかになった。英語のメンタルレキシコンが、母語である日本語のレキシコンを基礎に構築される可能性を示唆するものではないかと考えられる。
     
  46. 語の正書法・音韻の処理と文の意味理解との関係   
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2002年6月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:ことばの科学研究 第3号
    概要:(pp.21-31) 共著者:吉田晴世、野呂忠司、門田修平、吉田信介、倉本充子、松村優子。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。本論は、外国語として英語を学ぶ日本人大学生を対象に、英単語の正書法や音韻情報など低次の読みの機構が、英文の単文レベルの意味理解にいかに関係しているかについて実証的検討をしたものである。その結果、(1)語の音韻情報の処理の方が、正書法情報の処理よりも、時間のかかる認知的作業であり、(2)これら2つの語彙情報の処理機構は、ともに同じ程度に文の真偽性判断という意味処理と関係していることなどの知見が得られた。
     
  47. 読みと音韻:話しことばと書きことばの接点    
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2002年8月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:日本音声学会・音声研究 第6巻第2号(「認知科学と音声研究」特集号)
    概要:(pp.11-22) 書かれた語や文の理解をいかにして達成するかという読みのプロセスに関する研究は、人間の知的情報処理機構の解明を目指す認知科学研究にとって、極めて興味深い知見を提供してくれる。本稿は、視覚提示語・文へのアクセス過程における、音韻的符号化の役割について検討することで、書記言語の処理が人間本来の音声言語処理といかに関係しているかに関し、これまでの研究成果をもとに独自の理論的考察を試みたものである。
     
  48. 第二言語理解の認知メカニズム-英語の書きことばの処理と音韻の役割- (博士論文)    
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2005年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:明海大学大学院博士後期課程応用言語学研究科
    概要:(pp.255)本論文は、読みにおける音韻情報処理の解明を目的とした博士学位請求論文である。なお、本論文の内容については、著書11『第二言語理解の認知メカニズム--英語の書きことばの処理と音韻の役割』を参照。
     
  49. Do Japanese EFL  Learners Activate       Phonology in Reading   English Words and Japanese Kanji?   
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2005年4月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:JACET Bulletin No.40 (Japan Association of  College EnglishTeachers)
    概要:(pp.55-75) 共著者:門田修平、石川圭一。研究計画の立案、実験用単語一覧の作成以外の部分、すなわち実験の実施、データの分析・処理、結果の考察や、英語論文の執筆は門田がほぼ分担した。本論は、門田による単語の意味表象への「二重アクセス」説について検討することであった。日本人大学生を対象に、英単語および日本語漢字単語を使用した2つの心理言語学実験の結果、上記の二重アクセス説の妥当性を検証すると同時に、「音韻ルート優先の原則」がモデルに備わっている可能性(a universal activation-dominance hypothesis)を示唆している。
     
  50. 英単語ペアの音韻・意味アクセスに与える同音異義語・類義語の影響:継時提示による検討    
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2005年5月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:Justice and Mercy (『関西レヴュー』第23号)
    概要:(pp.321-331)メンタルレキシコン(mental lexicon)内の語の意味アクセスにおいて、音韻符号化(phonological coding)が、その前提になるのかどうかについては、(1)音韻介在説、(2)視覚的アクセス説、(3)二重アクセス(dual access)説の3つの考え方がこれまで実証的に検討されてきた。本論は、門田・石川(2000)の継続的研究として、英単語ペア2語のこれまでの同時視覚提示法に代えて、一定のSOAをもつ継時提示法を採用することで、いかなる影響が同音異義語、類義語、コントロール語ペアの音韻・意味アクセスに対してみられるか検討しようとしたものである。これにより英単語の音韻・意味へのアクセスモデルに関し新たな示唆を得ようとするものであった。
     
  51. 日本人英語学習者の発話データにおける談話連結詞の頻度分析    
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2005年5月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:Justice and Mercy(『関西レヴュー』第 23号)
    概要:(pp.449-462) 共著者:氏木道人、伊藤佳世子、門田修平。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。一般に書かれたテキストの理解の際には、などの談話連結詞が、その認知処理過程を促進する働きを持つ。それに対して、日本人英語学習者の発話産出(speech production)においては、談話連結詞はどのような使用実態を呈しているのであろうか。本論では、英語学習者のスピーキングコーパスを対象に、談話連結詞の出現頻度が学習者の英語運用レベルによってどのように変化するかについて検証したものである。
     
  52. 英語リーディング時の眼球運動基礎データ:日本人英語学習者に対する予備的検討    
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2005年10月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:英語教育音声学と学際研究:日本英語音声学会中部支部創立10周年記念論文集
    概要:(pp.205-213) 共著者:門田修平、西山正秋。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。外国語として英語を学ぶ日本人英語学習者に対し、英語の読みの実態に関する基礎データとして、読みの速度(秒単位の処理語数・文字数)や読みにおける眼球運動データ(語・文字あたりの平均停留回数、平均停留時間、サッカード幅、語・文字あたりの平均逆行回数)などのデータを算出し、その結果を報告した。なお、を測定するという研究目的をもって以下のような実験を行った。なお、研究に用いた機器は、門田の所属する勤務先共同研究室にすでに設置されているアイマークレコーダー(Eye-Mark Recorder EMR-8、ナック社製)を使用した。
     
  53. 視覚提示された英文の意味処理に、語彙知識はいかに関係しているのか:語彙サイズ・連想能力と英語リーディングとの関係    
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2005年12月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:言語コミュニケーション文化第3号(関西学院大学大学院言語コミュニケーション文化学会)
    概要:(pp.17-32) 共著者:湯川祐子、猪坂敏行、門田修平。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。英語の語彙知識には、語彙の広さと深さの2つの側面があるが、本論文では、語彙の広さと深さがどのように関係しているのか、そして、語彙の広さと深さが、文の意味理解にいかに関わっているのか、また、それらが実際の文レベルのリーディング能力にいかに影響するのかについて検討したものである。結果は、日本人英語学習者のメンタルレキシコンにおける語彙ネットワークの形成について興味ある示唆を与えるものであった。
     
  54. 日本人英語学習によるガーデンパス文の処理メカニズム--眼球運動に基づく検討 
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2007年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:2004年度~2006年度科学研究費補助金(基盤研究(C)(2))研究成果報告書
    概要:(pp.1-295) 共著者:門田修平、横川博一、吉田晴世、倉本充子、釣井千恵、山科美和子、吉田信介。本報告書は、2004 年度~18 年度の3年間に交付された科学研究費補助金(基盤研究C)を受けた『日本人英語学習者によるガーデンパス文の処理メカニズム: 眼球運動データに基づく検討』( 課題番号16520366)<研究代表者:門田修平>の研究成果をあますところなく報告したものである。ガーデンパス文、その他の英文の読みにおける眼球運動メカニズム(停留箇所、停留時間、逆戻り数等)について探るべく、日本人英語学習者を対象に、(1)文の統語情報と意味情報の処理は、それぞれがモジュール的に独立して機能するのか。それとも相互依存しているのか、(2)読み手が使用する統語解析方略にはどのようなものが仮定できる、(3)以上の(1)(2)のような基礎研究から、外国語として英語を学ぶ日本人英語学習者へのリーディングや文法指導において、いかなる示唆や展望が得られるかという3点に目標を絞って実験を実施した。結果としては、概して次の2点が明らかになった。(1)「ガーデンパス現象」と呼ばれる、文の処理当初仮定した文の統語表象を処理の途中で再度解析し直すという現象が、確かに第二言語としての英語の読みにも観察される。(2)同時に、主語名詞句の意味的特性(±animate)主語名詞句の語用論的特性(mouse はcat に追いかけられるものといった知識)により、ガーデンパス化に陥る確率が大いに減少する。
     
  55. The Process of Comprehending GP Sentences by Japanese EFL Students--A Psycholinguistic Analysis of Eye-Movement Data     
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2007年5月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:ことばの科学研究 第8号
    概要:(pp.19-43) 共著者:門田修平、倉本充子。論文要旨、検討課題、結果と考察、結びの部分の執筆を分担した。本論は、2004 年度~18 年度の3年間に交付された科学研究費補助金(基盤研究C)を受けた『日本人英語学習者によるガーデンパス文の処理メカニズム: 眼球運動データに基づく検討』(課題番号16520366)<研究代表者:門田修平>の研究成果の一部を成すもので、ガーデンパス文や他の英文を読んだ際の眼球運動を、各文単位での集計・分析結果に絞り、英文で報告したものである。
     
  56. 第二言語の英単語親密度データは母語の英単語行動指標といかなる関係があるか      
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2007年7月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:外国語外国文化研究第14巻(関西学院大学法学部外国語研究室)
    概要:(pp.95-110) Washington University、St. LouisのDepartment of Psychology教授David A. Balota 博士を中心に、40,481語の実在する英単語(real words)と、40,481 語の実在しない非単語(nonwords)について、各種語彙データをWeb 上で掲載し、無料で利用できるように公開しているものに英語語彙プロジェクト(English Lexicon Project: ELP)がある。本論では、ELP の各種語彙特性データ、行動指標データと、日本人英語学習者による英単語3000語の親密度調査結果との相関分析を実施したものである。対象とした親密度データは、横川(2006)の文字提示版およびその後実施された音声提示版であった。その結果、音声提示版の親密度データは、視覚提示版の親密度データと比べて、L1の行動指標データやBNC(British National Corpus)の語彙出現頻度データとの相関がやや低くなることが分かった。
     
  57. Exploring Differences Between Shadowing and Repeating Practices--An Analysis of Reproduction Rate and Types of Reproduced Words    
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2010年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:ARELE-Annual Review of English Language Education in Japan Vol.21(Japan Society of English Language Education)
    概要:(pp.81-90) 共著者:氏木道人、森庸子、門田修平、吉田信介。本論は、計6回のシャドーイングとリピーティングにおける再生率およびどのような再生語の再生率が高いかについて実証的に検討したものである。その結果、4-5回の繰り返しで十分であり、さらにシャドーイングでは内容語の再生率が高いが、逆にリピーティングでは機能語の再生率が比較的高いことがわかった。
     
  58. インプットをアウトプットにつなぐシャドーイング:理論と実践の連携    
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2011年12月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:JACET中部支部紀要第9号(大学英語教育学会中部支部)
    概要:(pp.41-55) 心理言語学の観点から、英語など第二言語習得の2つの基本課題、すなわち①インプットの量と質をいかに確保するか、②心内の学習システムをいかに機能させるか、についてまずふれ、その上で、シャドーイングの2つの学習効果である、(a)音韻表象形成の自動化、(b)語彙・構文の内在化について、音読も絡めて、検討した。 さらに、上記(a)(b)が実現されることで、英語など第二言語の正確さ(accuracy)よりも流暢性(fluency) の育成にいかに効果が期待できるか、特に、リスニング能力の向上や新たな語彙・構文の内在化といかに結びつくかについて展望を報告した。
     
  59. 語彙性判断に基づく英語語彙処理テストの開発    
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2013年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:国際学研究第2巻第1号(関西学院大学国際学部研究フォーラム)
    概要:(pp.1-8) 共著者:長谷尚弥、氏木道人、門田修平。近年の「使える語彙力」の必要性に鑑み、語彙の流暢性測定法の開発が不可欠である。これまでに語彙処理能力測定ツールとして「コンピュータ版英語語彙処理テストLex 版」(CELP-Lex)を新たに開発した。このテストは、英単語親密度リストから選定された語彙をもとに、提示された単語が実際に存在するか否かを判断するという語彙性判断課題を採用することで語彙処理能力を測定するものである。本論では、CELP-Lex の開発のコンセプト及び手順について報告した。
     
  60. The Effect of Shadowing on the Subvocal Rehearsal in L2 Reading--A Behavioral Experiment for Japanese EFL Learners    
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2015年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:Language Education and Technology 第52号 
    概要:(pp.163-177)  共著者:門田修平、川﨑眞理子、氏木道人、長谷尚弥、中野陽子、野呂忠司、中西弘、風井浩志。日本人英語学習者に対するこれまでの研究から、シャドーイングの練習が、音声知覚を自動化するとともに、復唱スピードをあげ、音韻ループ内の内的リハーサルを促進させる働きがあると考えられている(門田, 2007)本論は、シャドーイングが、リスニングと比較して、英文読解中の内的音声処理にどう影響するか検討したものである。日本人大学生・大学院生に対し、5つの英文をもとにしたシャドーイングとリスニングの練習を行い、各練習の事前および事後に、5つの英文を心内で発音しながら読むサブボーカルリハーサル(内的音読)の課題を与えた結果、シャドーイングの後は、リスニングと比べて、黙読中のサブボーカルリハーサルのスピードを速くすることがわかった。このことから、シャドーイングトレーニングが、英文リーディングにおける内的音声処理を促進する効果があることが示唆された。
     
  61. The Development of  English Lexical Processing (CELP-Sem and CELP-Lex) Tests--An Empirical Report    
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2017年2月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:Kwansei Gakuin University Humanities Review 第21号
    概要:(pp.201-210)  共著者:門田修平、長谷尚弥、氏木道人。第二言語として英語を学ぶ学習者のためのコンピュータ版英単語処理テストのCELP-Sem(英単語の意味関連性判断を採用)およびCELP-Lex(英単語の語彙性判断を採用)のいずれがよりテストとしての妥当性が高いかについて、日本人英語学習者を対象に実験的に検討したものである。その結果、CELP-LexよりもCELP-Semの方が、学習者の語彙処理の流暢性(lexical processing fluency)を測定する上でさらに妥当なテストであることが判明した。
     
  62. 英語語棄処理能力を測定するCELPテストとシャドーイング再生率との関係        
    発行又は発表の年月:2017年3月 
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:言語と文化 第20号(関西学院大学言語教育研究センター)
    概要:(pp.43-52) 共著者:氏木道人、長谷尚弥、門田修平。コンピュータ版英単語処理テストのCELP-SemおよびCELP-Lexが測定する能力と、英語学習法としてその効果が立証されつつあるシャドーイング・タスクの再生率との間にどのような関連が見られるかについて、実験的に検証しようとしたものである。するのが本論のねらいである。その結果、意味類似性判断に基づくCELP-Semと、シャドーイングの再生率との間により強い相関がみられることがわかった。
     
  63. The Effects of Shadowing on Implicit and Explicit Knowledge Use for Japanese Learners of English   
    発行又は発表の年月:2020年5月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:ことばの科学研究 第21号
    概要:(pp.19-37) 共著者:門田修平、長谷尚弥、川﨑眞理子、中西弘、中野陽子、野呂忠司、氏木道人。Ellisほか(2009)は、オーラル・イミテーション、オーラル・ナラティブ、時間制約あり文法判断、時間制約なし文法判断、メタ言語知識から成る、潜在的・顕在的文法知識テストを開発している。本論は、シャドーイングおよびリスニングのトレーニングが上記の潜在的・顕在的文法知識テストに与える影響を実証的に調査し、オーラル・イミテーション、オーラル・ナラティブといった、音声言語運用が必要なタスクについては、シャドーイングの学習タスクが、大きな効果を発揮するが、書かれた文の文法性判断テストでは、シャドーイングタスクの学習効果はほとんどないことを明らかにし、その上でEllisほか(2009)の枠組みについて、再検討する必要性を示唆したものである。
 

研究ノート

  1. ワーキングメモリ研究の新展開--認知神経科学の成果    
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2005年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:言語と文化 第8号
    概要:(pp.43-55) 人の言語処理の基礎となる、ワーキングメモリシステム(working memory system)についての研究も、近年の認知神経科学の影響を大きく受け、これまでの実験心理学的な研究方法は堅持しつつも、ブレーンイメージングと呼ばれる陽電子放出X線断層撮影法、単光子放射断層撮影法、機能的磁気共鳴映像法など脳内の可視技術の大幅な進歩に伴い、直接脳内の活性化の分布状態が観察できるようになり、ワーキングメモリ内の中央実行系や音韻ループなどの機能に関する脳内処理モデルを検討することも可能になった。本稿は、こういった中央実行系や音韻ループに関する最近の進展著しい認知神経科学の研究成果を跡づけたものである。
     
  2. Japanese EFL Learners’ Tendency Toward Syntactic Production in a Picture Description Task  Establishing a Baseline for Syntactic Priming Experiments    
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2011年12月 
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:JACET中部支部紀要第9号(大学英語教育学会中部支部) 
    概要:(pp.141-154) 共著者:杉浦香織、平井愛、堀智子、中西弘、泉惠美子、磯辺ゆかり、斉藤倫子、門田修平、籔内智、里井久輝、中野陽子、森下美和。共同研究につき、本人担当部分抽出不可能。第二言語学習者にとって、言語産出(スピーキング)における統語計画(syntactic planning)段階は、文産出の重要なプロセスである。本論の目的は、日本人英語学習者のメンタルレキシコン内での統語構造についての心的表象を検討し、今後の統語プライミング研究のベースラインデータを提供するというものであった。
 

評論・雑誌記事

  1. 第2回応用心理言語学国際会議に出席して    
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:1988年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:聖母被昇天学院女子短期大学紀要 第15号
    概要:(pp.119-135) 本稿は、1987年7月27日から31日まで西ドイツのカッセル(Kassel)にて開催された第2回応用心理言語学国際会議(2nd International Congress of Applied Psycholinguistics)の学会報告であり、国際応用心理言語学会の成立事情や歴史をはじめとして、第2回大会のプログラムや、Plenary Lecturesのうち主なものの要約、当国際学会についての筆者の印象などが簡単にまとめられている。
     
  2. 短期記憶と聴解力の関係[海外論文を読む(11)]    
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:1988年6月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:英語教育 第37巻第3号(大修館書店)
    概要:(p.81) 本稿では、応用言語学や外国語教育に関する海外学術誌に掲載された論文から、Listening力と短期記憶の関係について実証的に検討した論考を選び、その論文の背景となる記憶研究の成果の簡単な解説とともに、その内容をわかりやすく紹介したものである。
     
  3. Psycholinguistics at The 10th World Congress of the International Association of Applied Linguistics    
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1993年12月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:International Journal of Psycholinguistics Vol.9 No.2 (Center for Academic Societies Japan Osaka) 
    概要:(pp.231-234) 共著者:野村和宏。共同執筆につき、本人担当部分抽出不可能。本稿は、1993年8月8日~13日までオランダのAmsterdam(Vrije Universiteit)にて開催された国際応用言語学会第10回世界大会(10th World Congress of the International Association of Applied Linguistics)の学会報告である。学会中に行われた各種Excursions of Scholarly Interestのうち、筆者が訪問した心理言語学研究所(Max Plank Institute for Psycholinguistics in Nijmegen)の研究活動、施設などの報告も含まれている。
     
  4. 実験データvs.経験知
    --入試の読解問題対策に音声英語の指導は役立たないか?    
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:1994年1月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:現代英語教育 第30巻第10号(研究社)
    概要:(pp.17-19) 本論は、生徒の読解力を養うのに音声英語の指導は無関係だという経験知に対し、両技能間にはかなりの正の転移があり、本来のコミュニケーション志向の教育を行うことが、読解力の育成にも大いに助けになることを示す実験データを紹介したものである。実験データを重視するサイエンティフィックなアプローチの意義と、英語教育研究を人の情報処理研究の一環として捉えることが可能であるという視座についての論説を含む。
     
  5. AILA96学会報告      
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:1997年4月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:ことばとコミュニケーション 外国語教育研究へのニューアプローチ 第1号
    概要:(pp.112-115)。本稿は、1996年8月4日~9日までフィンランドのユヴァスキュラ大学(University of Jyvaskyla)にて開催された国際応用言語学会第11回世界大会(11th World Congress of the International Association of Applied Linguistics)の学会報告である。学会中開催された各種シンポジウムのうち筆者が直接見聞きしたものを中心にその内容を報告したものである。
     
  6. 反応時間測定用心理実験ソフト--SuperLab   
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:1998年7月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:ことばとコミュニケーション 外国語教育研究へのニューアプローチ 第1号
    概要:(pp.113-114) 外国語教育や外国語の応用言語学研究において扱われてきた様々な反応データのうち、課題に対する反応時間を調べる心理学的方法の意義について簡単に議論するとともに、反応時間を測定する代表的なソフトウェアとして、SuperLab:General Purpose Psychology Testing Packageというプログラムをとりあげ、その使用法、改善点等について解説したものである。
     
  7. PacSLRF'98大会報告         
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:1999年7月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:ことばとコミュニケーション 外国語教育研究へのニューアプローチ 第3号
    概要:(pp.93-96) 本稿は、1998年3月26日~29日まで東京の青山学院大学にて開催されたThe 3rd Pacific Second Language Research Forumの学会報告である。学会中開催された各種講演およびシンポジウムのうち筆者が直接見聞きしたものを中心にその内容を報告したものである。
     
  8. 研究と現場をつなぐブックガイド    
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2007年2月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:英語教育第55巻 第13号
    概要:(pp.34-36) 本稿は、英語の語彙学習に関係する書籍を、(1)語彙の知覚・処理(メンタルレキシコンへのアクセスを含む)、(2)語彙の学習・指導、(3)母語の語彙と英語の語彙の関係(バイリンガルレキシコン)という3つの領域から、紹介したものである。    
     
  9. 「シャドーイング+音読」のすすめ    
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2007年9月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:多聴多読マガジン 第5号
    概要:(pp.109-120) 共著者:門田修平、高田哲朗、溝畑保之。本特集記事は、シャドーイングと音読を通じた英語習得法を、紹介するものであった。パラレルリーディング→シャドーイング→音読とトレーニングを繋ぐこと、プロソディ・トレーニングとコンテンツ・トレーニングの区別などが提案された。
     
  10. いかにしてシャドーイング・音読は英語学習に効果があるのか    
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2008年2月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:教師と教師を結ぶコミュニケーション誌INTERACTIVE 第24号 旺文社
    概要:(pp.1-3) 音読やシャドーイング、リピーティングの指導が盛んに授業で実践されるようになった。他方、「テキストを音読するだけ」というのは何十年も前から行われてきた。「使える英語」の必要性が求められる現在に取り組むべき音声指導とは、どのようなものなのかに対する解答として、シャドーイング・音読の意義について考察した。
     
  11. アウトプットへの近道は「シャドーイング」と「音読」
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2008年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:多聴多読マガジン 第7号
    概要:(pp.128-132) 本稿は、英語ですらすらリーディングができる能力を育成するためだけでなく、英語でのコミュニケーションの土台をつくる「ベースキャンプとしての多聴・多読」をめざし、いかにして多読と多聴という異なった形の情報獲得過程をリンクさせ、さらにはコミュニケーション(アウトプット)に転化するとよいかについて考察したものである。
     
  12. リスニングのメカニズムからみる聞こえない症状と対処法&トレーニング法    
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2008年9月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:多聴多読マガジン 第10号
    概要:(pp.16-19) 日本人英語学習者向けに、リスニングのメカニズムから聞き取れない原因と合理的な対処法をあわせて考えてみるための指針となる解説およびモデルを提示したものである。
     
  13. コミュニケーション力を高めるリスニング力アップ法--「リスニング+α(プラスアルファ)」のすすめ      
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2009年5月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:多聴多読マガジン 第14号
    概要:(pp.8-11) 大量のインプットをリスニングするだけではなく、積極的に繰り返しシャドーイングという外的リハーサルをすることで、リスニング力を高め、コミュニケーション力を高めるポイントについて解説した。
     
  14. インプットとアウトプットをいかにつなぐか
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2009年1月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:英語教育第57巻第12号
    概要:(pp.10-13) 大量かつ適切なレベルのインプットがあれば、第二言語習得は確実に生じるというinput 理論と、アウトプットをプラスすることが、第二言語習得には不可欠であるというoutput理論について検討し、その上でインプットとアウトプットを効果的につなぐタスクとして、シャドーイング(shadowing)・音読(oral reading)の重要性について検討し、これらのトレーニングがアウトプット(特にスピーキング)のどういった能力を支えるのかについて考察した。
     
  15. ボトムアップ・シャドーイング vs. トップダウン・シャドーイング     
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2009年1月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:英語教育第57巻第12号
    概要:(pp.18-21) 本稿は、シャドーイング導入を素材の学習前か後のどのタイミングで行うか(すなわち、ボトムアップ・シャドーイングとトップダウン・シャドーイング)の2つについて、認知心理学的な観点から解説したものである。
     
  16.  シャドーイングの導入で、生徒のリスニング能力が伸びるかどうかを調べたい      
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2010年4月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:英語教育第59巻第2号
    概要:(pp.24) 本稿は、シャドーイングトレーニングを実施することで、リスニング能力がいかに伸びるかについて、どのような研究が可能か具体的に論じたものである。
     
  17. 音読にはどのような効果があるか?    
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2012年12月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:英語教育第61巻第10号
    概要:(pp.10-12) 本稿は、英語の学習法としての音読について、「何の能力を高めるために実施するのか」「その効果は、どうやって測定するのか」「スピーキングカを伸ばす音読とはどのようなものか」といった疑問に答えたものである。
     
  18. 音読活動は速読に悪影響を与えないでしようか?    
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2012年12月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:英語教育第61巻第10号
    概要:(pp.30-31) 本稿は、英語の学習法としての音読と速読法との関係について、「音読は速読力養成のために行うのか」「速読をどうとらえるのか」「速読を可能にするメカニズム」「速読学習の方法」について解説したものである。
     
  19. トータルな英語教育の中で多聴多読の位置づけを考える    
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2014年8月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:多聴多読マガジン別冊・英語の多読最前線
    概要:(pp.74-88) 地球全体がひとつのコミュニティといったボーダレスなグローバル時代において、多聴・多読よるアプローチによる英語学習がどのように位置づけられるのか、言い換えると、英語によるコミュニケーション能力の育成という目的と多聴多読はどのように関係しているのか解説した。
     
  20. 「聞く力」「話す力」を鍛える100万語シャドーイング    
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2017年5月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:多聴多読マガジン 第62号
    概要:(pp.10-11, pp.20-21, pp.28-32) 共著者:門田修平、中西のりこ。本特集記事は、シャドーイング研究の最新成果にもとづき、リスニングとスピーキングの両方に効果があるとされるシャドーイングについて特集したものである。その上で、100万語シャドーイングに至るルートマップを暫定的に提示した。
     
  21. リスニング指導を考えるための観点とは:指導をはじめる前に押さえておくべきこと     
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2019年9月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:英語教育 第68巻第6号
    概要:(pp.10-12) 本稿は、英語のリスニング指導を展開する際に押さえておくべき点として、コミュニケーションにおけるリスニングの位置づけを行い、リスニングプロセスの概要が「知覚」と「理解」から成ることを述べ、音声に知覚に、音声言語理解に必要な能力をまとめ、インプットをアウトプットにつなぐPIとシャドーイングのアプローチについて検討したものである。
     
  22. 実践トレーニング付!--音読からシャドーイングへ    
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2020年9月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:多聴多読マガジン 第92号
    概要:(pp.14-35) 共著者:門田修平、中西のりこ。本特集記事は、従来行われてきた形式的な音読ではなく、実際に英語の音声を聞いた後で大量に音読練習するアプローチが注目されている。音読の効果およびシャドーイングとの違いについて科学的な研究成果をもとに解説し、その後英語母語話者が話したスピーチ音声を使った音読トレーニングを、リッスン&リピートとシンクロ・リーデインク方式で、提供したものである。
     
  23.  AIを活用して英語ライティングからスピーキングにつなぐ    
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2023年6月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:多聴多読マガジン 第110号
    概要:(pp.24-31) AI を活用して英語力を伸ばすには、まずは自分で英語の文を作ってみることが先決で、その後各種AIツールの機能を賢く使って添削することが重要である。AIを学習者仕様の英語力強化コーチにするためのノウハウを記述したものである。
 

Jeong Hyeonjeong

  1. Hyeonjeong Jeong, Ping Li (2024) Neurocognition of Social Learning of L2: How can L2 be learned as L1? In K. Morgan-Short & J.van Hell (Eds.)) The Routledge Handbook of Second Language Acquisition and Neurolinguistics, Routledge.
     
  2. Sugimoto, Y., Yoshida, R., Jeong, H., Koizumi, M., Brennan, J. & Oseki, Y. (2023). Localizing Syntactic Composition with LeftCorner Recurrent Neural Network Grammars. Neurobiology of Language, Advance publication. 
    Localizing Syntactic Composition with Left-Corner Recurrent Neural Network Grammars
     
  3. Yuichi Suzuki†, Hyeonjeong Jeong†, Haining Cui, Kiyo Okamoto, Ryuta Kawashima, Motoaki Sugiura  (†equal contribution) fMRI reveals the dynamic interface between explicit and implicit knowledge recruited during elicited imitation task. Research Methods in Applied Linguistics (2023) 2(2) 100051 
    fMRI reveals the dynamic interface between explicit and implicit knowledge recruited during elicited imitation task
     
  4. Juno Baik, SunYoung Lee, Hyeonjeong Jeong, Youngjoo Kim (2023) The Effects of Word Order on Sentence Processing of Native and Non-native Korean Speakers: A Comprehensive Comparison on Syntactic, Semantic, and Morphological Factors, Journal of Korean Language Education 34(1), 75-105. (2023.2.17採択)
     
  5. Haining Cui, Hyeonjeong Jeong, Yoshihiro Mochizuki, Keiko Mochizuki (2023). Word Order Typology and the Acquisition of Chinese “Verb + Resultative” Compound Verbs: Insights from Brain Science and Learner Corpora, In: Chen, H.HJ., Mochizuki, K., Tao, H. (eds) Learner Corpora: Construction and Explorations in Chinese and Related Languages. Chinese Language Learning Sciences. Springer, Singapore pp319-333, 
    Word Order Typology and the Acquisition of Chinese “Verb + Resultative” Compound Verbs: Insights from Brain Science and Learner Corpora
     
  6. Suzuki, Y., Jeong, H., Cui, H., Okamoto, K., Kawashima, R., & Sugiura, M. (2023). An fMRI validation study of the word-monitoring task as a measure of implicit knowledge: Exploring the role of explicit and implicit aptitudes in behavioral and neural processing. Studies in Second Language Acquisition, 45(1), 109-136. doi:10.1017/S0272263122000043 
     
  7. Saito K, Cui H, Suzukida Y, Dardon D, Suzuki Y, Jeong H, Revesz A, Sugiura M, Tierney A. (2022) Does domain-general auditory processing uniquely explain the outcomes of second language speech acquisition, even once cognitive and demographic variables are accounted for? Bilingualism: Language and Cognition DOI:
    Does domain-general auditory processing uniquely explain the outcomes of second language speech acquisition, even once cognitive and demographic variables are accounted for?
     
  8. Cui H, Jeong H*, Okamoto K, Takahashi D, Kawashima R, Sugiura M. (2022). Neural Correlates of Japanese Honorific Agreement Processing Mediated by Socio-pragmatic Factors: An fMRI Study. Journal of Neurolinguistics62,101041. 
    Neural correlates of Japanese honorific agreement processing mediated by socio-pragmatic factors: An fMRI study (*corresponding author)
     
  9. Hsieh MC, Jeong H*, Sugiura M, Kawashima R. (2021). Neural evidence of language membership control in bilingual word recognition: An fMRI study of cognate processing in Chinese-Japanese bilinguals. Frontiers in Psychology, section Language Sciences 
    Neural Evidence of Language Membership Control in Bilingual Word Recognition: An fMRI Study of Cognate Processing in Chinese–Japanese Bilinguals *corresponding author
     
  10. Ming-Che Hsieh, Hyeonjeong Jeong, Mariko Nakayama, Motoaki Sugiura (2021) Domain-general Executive Functions in Switching Costs During Language Comprehension: Switching Directions Determine the Engagement. Studies in Language Sciences 19(2); 27-35 (*corresponding author)
     
  11. Nozawa T, Kondo M, Yamamoto R, Jeong H, Ikeda S, Sakaki K, Miyake Y, Ishikawa Y, Kawashima R (2021) Prefrontal inter-brain synchronization reflects convergence and divergence of flow dynamics in collaborative learning: a pilot study. Frontiers in Neuroergonomics, section Neurotechnology and Systems Neuroergonomics 
    Prefrontal Inter-brain Synchronization Reflects Convergence and Divergence of Flow Dynamics in Collaborative Learning: A Pilot Study
     
  12. Jeong H*, Li P, Suzuki W, Sugiura M, Kawashima R. (2021). Neural mechanisms of language learning from social contexts, Brain and Language, 212, 104874 
    Neural mechanisms of language learning from social contexts (*corresponding author)
     
  13. Kajiura M, Jeong H*, Kawata NYS, Yu S, Kinoshita T, Kawashima R, Sugiura M. (2021) Brain activity predicts future learning success in intensive second language listening training Brain and Language, 212, 404839 
    Brain activity predicts future learning success in intensive second language listening training  
     
  14. Diego Elisandro Dardon, Hyeonjeong Jeong (2021). Working Memory Trumps Language Aptitude in Learning Semantic-Based Linguistic Category Rules, Studies in Language Sciences (19), 77-84. 
    Working Memory Trumps Language Aptitude in Learning Semantic-Based Linguistic Category Rules  *corresponding author
     
  15. Li, P., & Jeong, H. (2020). The social brain of language: Grounding second language learning in social interaction. npj Science of Learning 5(1)  
    The social brain of language: grounding second language learning in social interaction
     
  16. Oba K, Sugiura M, Hanawa S, Suzuki M, Jeong H, Kotozaki Y, Sasaki Y, Kikuchi T, Nozawa T, Nakagawa S, Kawashima K. (2020) Differential roles of amygdala and posterior superior temporal sulcus in social scene understanding. Social Neuroscience, doi: 10.1080/17470919.2020.1793811
     
  17. Takeuchi H, Maruyama T, Taki Y, Motoki K, Jeong H, Kotozaki Y, Shinada T, Nakagawa S, Nouchi R, Iizuka K, Yokoyama R, Yamamoto Y, Hanawa S, Araki T, Sakaki K, Sasaki Y, Magistro D, Kawashima R. (2020). Effects of training of shadowing and reading aloud of second language on working memory and neural systems, Brain Imaging and Behavior, 
    Effects of training of shadowing and reading aloud of second language on working memory and neural systems
     
  18. Nozawa, T., Sakaki, K., Ikeda, S., Jeong, H., Yamazaki, S., Kawata, K., Kawata, N.,Sasaki Y, Kulason K, Hirano K, Miyake Y, Kawashima R (2019). Prior physical synchrony enhances rapport and inter-brain synchronization during subsequent educational communication. Scientific Reports, 9(1),12747, 1–13. 
    Prior physical synchrony enhances rapport and inter-brain synchronization during subsequent educational communication
     
  19. Maruyama T, Takeuchi H, Taki Y, Motoki K, Jeong H et al., (2018) Effects of time-compressed speech training on multiple functional and structural neural mechanisms involving the left superior temporal gyrus. Neural Plasticity Article ID 6574178, 12 pages, 2018. 
     
  20. Hsieh MC, Jeong H*, Kawata KH, Sasaki Y, Lee HC, Yokoyama S, Sugiura M, Kawashima R Neural correlates of bilingual language control during interlingual homograph processing in a logogram writing system, Brain and Language, 174, 2017, 72-85 (*corresponding author)
     
  21. Jeong H, Sugiura M, Suzuki, W, Sassa Y, Hashizume H, Kawashima R (2015) Neural correlates of second-language communication and the effect of language anxiety. Neuropsychologia, 66, 182-192. (*corresponding author)
 

石川 圭一

  1. Ishikawa, K. (2019). Incidental and explicit learning of L2 derivational morphology and the nature of acquired knowledge. Applied Psycholinguistics, 40, 1377-1404. DOI:10.1017/S0142716419000304
  2. Nomura, J., & Ishikawa, K. (2018). Effects of L1 processes and representations on L2 perception: The case of vowel epenthesis by Japanese speakers. International Journal of Bilingualism, 22, 69-87. DOI:10.1177/1367006916654997
  3. Ishikawa, K. (2016). Phonological and morphosyntactic knowledge of derived English words by native speakers and Japanese learners of English. JACET Journal, 60, 21-35.
  4.  Ishikawa, K. (2011). Japanese English language learners’ phonological knowledge of derived English words. JACET Journal, 52, 19-29.
  5. Ishikawa, K., & Nomura, J. (2008). Word stress placement by native speakers and Japanese learners of English. Proceedings of Interspeech 2008, pp.1955-1958.
  6. Ishikawa, K. (2007). Grammatical class and rhythmic context: English stress assignment by Japanese students. JACET Journal, 44, 29-42.
  7. Ishikawa, K., & Nakamura, H. (2006). A developmental and cross-linguistic study of syllabification in English. Journal of the Japan Society of Speech Sciences, 7, 33-47.
  8. Ishikawa, K. (2006). Syllabification of English consonant clusters by speakers of English and Japanese. Journal of the Phonetic Society of Japan, 10, 70-95.
  9. Kadota, S., & Ishikawa, K. (2005). Do Japanese EFL learners activate phonology in reading English words and Japanese kanji? JACET Bulletin, 40, 55-75.
  10. Ishikawa, K. (2005). Training Japanese students to recognize and produce English syllables. JACET Bulletin, 40, 41-54.
  11. Ishikawa, K. (2002). Syllabification of intervocalic consonants by English and Japanese speakers. Language and Speech, 45, 355-385. DOI:10.1177/00238309020450040301
  12. Ishikawa, K., & Nobe, S. (1998). Universal and language-specific aspects of word-memory processes:Japanese, Chinese, and English. Perceptual and Motor Skills, 87, 1219-1238.
    DOI:10.2466/pms.1998.87.3f.1219
 

梶浦 眞由美

  1. Ishida, T., Kajiura, M.(2023). Differences in Word Frequency and Length Effects on L2 and L1 Speakers' Eye. Movement. 日本福祉大学紀要 17-24
     
  2. Kajiura, M.,  Hyeonjeong, J., Kawata, Y. S. N., YU, S., Kinoshita, T., Kawashima, R., & Sugiura, M. (2021). Brain activity predicts future learning success in intensive second language listening training. Brain and Language. 212:104839.
     
  3. 梶浦眞由美, 他. (2021). 応用言語学と外国語教育研究―未来への展望 木下徹退官論集. 木下徹教授退職記念論集編集委員会編. 東京:金星堂, 245-260.
     
  4. 林姿穂, O'brien, (2020).  梶浦眞由美. 小学校英語教材. 英語で注文しよう!.埼玉:株式会社オータケ.
     
  5. 高橋寿夫,  岩井麻紀,  梶浦眞由美,  神野雅代,  松村優子,  米崎啓和.  (JACETリスニング研究会).   Power-Up College English. パワーアップイングリッシュ 入門編.東京: 南雲堂, 25-28. 
     
  6. Kajiura, M. (2019). Training Effects of Using Fast-Rate Speech Combined with Transcript Reading on L2 Listening and L2 Speech Processing Speed. 名古屋大学, 博士(学術), 甲第12691号. 名古屋:名古屋大学.(博士論文)
     
  7. 高橋寿夫,  岩井麻紀,  梶浦眞由美,  川越栄子,  神野雅代,  松村優子,  米崎啓和.  (JACETリスニング研究会). (2019). Power-Up College English. パワーアップイングリッシュ 基礎編. 東京: 南雲堂, 2019. 17-20, 29-32.
     
  8. 伊與田洋之,  赤塚麻里,  土居峻,  梶浦眞由美,  Marikit G. Manalang,  室淳子. (2019).Amazing Visions of the Future. 国際社会への英語の扉―インプットからアウトプットで学ぶ四技能―. 東京: 南雲堂. 23-26,63-66.
     
  9. 梶浦眞由美, 他. (2018). ワーキングメモリとリスニング, リスニングと脳. 
    鈴木寿一, 門田修平編著, リスニング指導ハンドブック. 東京:大修館書店, 2018. 293-307.
     
  10. Kajiura, M., & Kinoshita, T. (2016). The components of vocabulary knowledge which affect L2 listening more than L2 reading. In M. Hirakawa, J. Matthews, K. Otaki, N. Snape & M. Umeda (Eds). Proceedings of PacSLRF. 93-97.
     
  11. Kajiura, M. (2016). Enhancing the Processing Speed of L2 Speech: The Effect of Practice Using Faster Rate (Compressed) Speech and Transcript Reading on Listening Proficiency. JACET Journal. 60: 117-135. 
     
  12. Kajiura, M. (2015). Brain Responses to Different Speech Rates during Auditory Sentence Comprehension by Native and Non-Native Speakers.  LET Journal. 52: 279-298.
     
  13. Kajiura, M., Kinoshita, T., & Gao, F. (2015).The influence of speech rates on listening: Brain activity while listening to L1, L2, and an unknown language.  JSLS 2015.30-33.
 

泉 惠美子

編著書

  1. 泉恵美子・小泉仁・築道和明・大城賢・酒井英樹(編)(2020).『すぐれた小学校英語授業-先行実践と理論から指導法を考える』研究社.
     
  2. 泉惠美子・門田修平(編著)(2016).『英語スピーキング指導ハンドブック』大修館書店.
     
  3. 泉惠美子・多田玲子・田邉義隆(編著)(2022).『Basic English for Teachers of Young Learners』朝日出版社.
     
  4. 泉惠美子・田縁眞弓・川﨑眞理子(編著)(2019).『低学年から始める英語短時間学習―すぐに使える活動アイディアと単元展開』教育出版.
     
  5. 金森強・本多敏幸・泉惠美子(編著)(2017).『主体的な学びをめざす小学校英語教育-教科化からの新しい展開-』教育出版.
     
  6. 樋口忠彦・泉恵美子(編著)(2011).『続小学校英語活動アイディアバンク』教育出版.
     
  7. 樋口忠彦(監修)泉惠美子(編者代表)(2021).『「深い学び」を促す小学校英語授業の進め方―スモールトークからコミュニケーション活動へ』教育出版.
     
  8. 樋口忠彦・泉恵美子・加賀田哲也(編著)(2019).『小学校英語内容論入門』研究社.
     
  9. 樋口忠彦・加賀田哲也・泉恵美子・衣笠知子(編著)(2013).『新編小学校英語教育法入門』研究社.
     
  10. 樋口忠彦(監修)高橋一幸・泉惠美子・加賀田哲也・久保野雅史(編著)(2019).『Q&A高校英語指導法事典―現場の悩み133に答える』教育出版.
     
  11. 樋口忠彦・高橋一幸・加賀田哲也・泉惠美子(編著)(2017).『Q&A小学英語指導法事典―教師の質問112に答える』教育出版.
     
  12. 樋口忠彦・並松善秋・泉恵美子(編著)(2012).『英語授業改善への提言―「使える英語」力を育成する授業実践』教育出版.
     
  13. 吉田晴世・加賀田哲也・泉惠美子(編著)(2015).『英語科・外国語活動の理論と実践-グローバル時代に生きる子どもたちの育成のために-』あいり出版.
     
  14. 吉田晴世・田縁眞弓・泉惠美子・加賀田哲也(編著)(2016).『エンジョイ!フォニックス』上巻・下巻.受験研究社.
     

著書・論文

  1. Izumi, E. (2018). MAP and SLA: Teaching English to young learners in the EFL classroom。 In A. Tajino(Ed.)A New Approach to English Pedagogical Grammar (pp.73-82), Routledge.
     
  2. 泉惠美子・長沼君主・山川拓・幡井理恵(2022).「思考・判断・表現を見取る5領域の指導と評価-話すことの教科書特徴分析と授業実践事例を中心に-」『小学校英語教育学会
    JES Journal』22, 54-69.   他多数
 

川﨑 眞理子

教育方法の実践例

  1. リメディアル教育
    年月日:2010~2012年度
    概要:フォルスビギナーに対するフォニックス指導とその効果検証
     
  2. CLIL(生物)
    年月日:2013~2014年度
    概要:長浜バイオ大学、英米の生物や理科の教科書を使用したCLIL指導法による科学英語(主に講読)の授業を展開。
     
  3. 先端技術を活用した授業改善
    年月日:2018年度
    高等教育推進センター助成金により、一般教室での効果的な音声学習を試みている。録音や音声認識システム、波形表示アプリを活用。
     
  4. 多読活動
    年月日:2020年度~2021年度
    概要:多読多聴サイトを活用し、授業外で多量の本を読むことで、識字処理速度の向上を達成する。
     
  5. CLIL(異文化理解・世界遺産)
    年月日:2021年度
    概要:英語で、世界遺産や異文化について学ぶことで、英語を学ぶのではなく、必要な知識・意識を向上させ、結果的な世界標準の英語力を目指す。
     
  6. ESP(看護英語)
    年月日:2023年度
    概要:看護師と患者の会話例や周辺必要用語を学ぶ
 

作成した教科書、教材

  1. English Beams 金星堂
    年月日:2016年1月
    概要:大学初中級(CEFRA1.2~B1.1)向け4技能練習教材。中心は口頭産出で、授業では学生同士や学生と教員のやり取りを通じて、対象表現を学ぶ。各章末尾の様々な形態の読み物でまとまりのある文章の様式に触れ、次年度のライティングにつなげるため、基本的な段落構造を学ぶ。
    共著:表谷純子、川﨑眞理子、ハセイン・アイエド、アロエ・ポール
     
  2. Real Writing  --From structured paragraph writing to complete essay 南雲堂
    年月日:2019年1月
    概要:大学初中級(CEFRA1.3~B1.2)向けアカデミックライティング教材(学部2年生共通教科書)。福祉、起業、スポーツを中心に多様な題材。モデルパラグラフやエッセイの語彙レベルやテキストタイプをできるだけ平易にするとともに、誤った事例の分析からの学習対象者の気付きを促す。書くときの細かい規則や、論理展開に注目し、模倣から始めて、自立した書き手を育てる。剽窃の概念とその防止方法も演習する。
    共著:川﨑眞理子、ハセイン・アイエド
 

教育上の能力に関する大学等の評価

  1. 学生による授業評価アンケート(新潟経営大学)
    年月日:令和2年度後期
    概要:通訳ガイド演習III(3年次)
    授業外学習時間:2~3時間(25%)、.5~1時間(75%)
    内容の伝わり方:明確に伝わった(100%)
    難易度:少し難しかった(25%)ちょうどよかった(50%)簡単だった(25%)
    目標達成度:達成(50%)、少し達成(50%)
    課題の量:適量(100%)
    理解度:理解(50%)、どちらかといえば理解(50%)
    ライティングII(2年次)
    授業外学習時間:2~3時間(10%)、1~2時間(25%)、.5~1時間(65%)
    内容の伝わり方:明確(85%)まあまあ(15%)
    難易度:少し難(65%)ちょうどよかった(35%)
    目標達成度:達成(50%)、少し達成(50%)
    課題の量:どちらかといえば多(25%)、適量(75%)
    理解度:理解(75%)、どちらかといえば理解(25%)
 

実務の経験を有する者についての特記事項

  1. ボランティア通訳
    年月日:1999年3月~2007年8月
    概要:世界室内陸上競技選手権大会(群馬前橋)
    世界陸上競技選手権大会(大阪長居)
    高度な英語力、通訳力を評価され、本部、プレスなどの要所にて中心的活動。
     
  2. 小学校英語活動並びに英語授業支援
    年月日:2000年4月~2015年3月
    概要:学校(小中高)及び市町村県各単位でのフォニックス講座や英語で英語指導法などの研修、模擬授業、授業に対する相談、助言など。
 

その他

なし


<< 職務上の実績に関する事項 >>

資格・免許

  1. TOEIC/LPI(Language Proficiency Interview)
    年月日:1995年11月
    概要:945/レベル3
     
  2. OPI
    年月日:2000年8月
    概要:Intermediate-high
     
  3. ACTFL-ALC スタンダード・スピーキング・テストLPI(Language Proficiency Interview)
    年月日:2000年8月
    概要:面接官・評価官
     
  4. 実用英語技能検定
    年月日:2002年2月
    概要:1級 優秀賞
 

特許等

なし
 

実務の経験を有する者についての特記事項

  1. 秘書業務ならびに通訳 (サントリー有機科学研究所、P&G)
    年月日:1980年4月~1981年8月
    概要:バイリンガル秘書業務(日英相互逐次通訳・翻訳科学研究分野)(サントリー)
    バイリンガルシニア秘書業務(日英相互逐次通訳・翻訳人事・経理・製造部門全般)(P&G)
     
  2. 日英技術翻訳(テクワード)
    年月日:1990年4月~2015年3月
    概要:主に自動車産業、医・科学系論文
     
  3. 企業におけるスピーキングテスト実施とテスト対策指導
    年月日:1990年4月~2015年3月
    概要:企業の内定者、内部試験の英語面接試験及び勤務時間前後の社内クラス
    Standard Speaking Test (ACTFL-ALC)面接・評価員資格取得対策
 

その他

なし


<< 研究業績等に関する事項 >>

著書

  1. 英語音読指導ハンドブック
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2012年10月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:大修館書店
    概要:英語力を伸ばすために音読は効果的である。しかし、ただテキストを読むだけでは効果は半減してしまう。本書は多彩で効果的な音読法の紹介を始め、授業で取り入れる際の注意点や、音読の効果の科学的検証法など、多角的に音読を扱う。既に音読を授業で取り入れている先生方にも指導法を見直すきっかけとなる書(418頁)
    (編著:鈴木寿一・門田修平、著者:川崎眞理子・川渕弘二・氏木道人・高尾渚、高田哲朗他)
    (担当部分)流暢な読解のためには、文字列の音声化を自動化する必要がある。自動化することで、注意資源を理解に割り当てることができるからである。しかし、単語の読み方を提供したり、音読時間がなかったり、適切な識字指導が行われていないことが多い。ここでは、中高生に教科書を使いながら、自分の力で単語を音声化できるように指導するためのヒントを提供する。
    (担当部分pp. 23,24, 114-127, 134, 274 合計18頁、単著)
     
  2. English Beams (再掲)
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2016年1月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:金星堂
    概要:大学初中級(CEFRA1.2~B1.1)向け発信型4技能総合演習教材。中心は口頭産出で、授業では学生同士や学生と教員のやり取りを通じて、対象表現を学ぶ。各章末尾の様々な形態の読み物でまとまりのある文章の様式に触れ、次年度のライティングにつなげるため、基本的な段落構造を学ぶ。(104頁)共著者:表谷純子, 川﨑眞理子, アイエド・ハセイン, ポール・アロエ(全員で執筆、編集を行ったため、掲載頁特定不可能)
     
  3. Real Writing  --From structured paragraph writing to complete essay(再掲)
    単著・共著の別:編著
    発行又は発表の年月:平成31年1月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:南雲堂
    概要:大学初中級(CEFRA1.3~B1.2)向けアカデミックライティング教材(学部2年生共通教科書)。福祉、起業、スポーツを中心に多様。モデルパラグラフやエッセイの語彙レベルやテキストタイプをできるだけ平易にするとともに、誤った事例の分析からの学習対象への気付きを促す。書くときの細かい規則や、論理展開に注目し、模倣から始めて、自立した書き手を育てる。剽窃の概念とその防止方法も演習する。(128頁)著者:川﨑眞理子, アイエド・ハセイン, サミュエル・ホー,中野 陽子, 茨木 正志郎 ほぼ全編を川﨑とハセインで編著のため、掲載頁特定不可能)
     
  4. 低学年から始める英語短時間学習
    単著・共著の別:編著
    発行又は発表の年月:令和元年7月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:教育出版
    概要:大阪市英語イノベーション事業における実践に基づき、関係者が現場指導者のためにまとめた授業案・指導用教材・参考文献・言語獲得や学習心理学研究からの提案
    (168頁)編著者:泉惠美子, 田縁真弓, 川﨑眞理子(全員で執筆、編集を行ったため、掲載頁特定不可能)
     
  5. 英語リーディングの認知科学-文字学習と多読の効果をさぐる
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2021年11月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:くろしお出版
    概要:第二言語リーディングの認知プロセスとその学習、とりわけ多読とその効果について、これまでの研究成果をふまえた革新的な提案を行う。
    (220頁)
    編著者:門田修平,高瀬敦子,川﨑眞理子
    担当部分:識字のしくみを説明し、実証研究に基づいた習得と指導方法を提案する。
    担当部分:第1章1-3節14頁、第4章15頁
 

学術論文

  1. Phonological processing and comprehension - An experiment for Japanese EFL learners (音韻処理と理解-日本人EFLに対する実験)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2008年12月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:『言語コミュニケーション文化 第6号』、pp.3-14 関西学院大学言語コミュニケーション文化学会
    概要:音韻英語学習者に対して、非単語音読、文音読及び文復唱課題を実施し、速度と正確さを測定した。文の内容理解に正解だった場合と不正解だった場合を比較すると、前者では音読速度や復唱精度が高かった。迅速な音韻符号化や正確な音韻処理が理解に必要であると言えるが、誤った符号化でも理解に到達することもわかった。(12頁)
     
  2. Correlations between phonological processing and comprehension(音韻処理と理解の相関関係)(査読付)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2009年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:『ARELE 第20号』、pp.1-10 全国英語教育学会
    概要:音読力と復唱力、非単語の音読課題により、音読速度、音読精度、復唱速度、復唱精度、非単語音読潜時、非単語音読精度と音読時の内容理解と復唱時の内容理解との相関分析を行った。音読速度と復唱精度、非単語音読潜時が内容理解と相関関係にあった。音読精度が内容理解と相関関係になかったことから、日本人英語学習者の読解力と聴解力のかい離や、あまり論じられない非単語音読力が読解力や聴解力と相関していることがわかった。(10頁)
     
  3. The Effect of Decoding Practice – A Comparison Between Older and Younger Learners(ディコーディング練習の効果-年長年少学習者の比較)(査読付)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2011年4月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:『ことばの科学研究 第12号』、pp.41-56 ことばの科学会
    概要:誤読率の高い母音字を正しく音読するために、当該文字を含む単語を自ら音読した後、モデル音声を聴いて復唱する所要時間約20分のタスクを設計した。中高生と大学生のディコーディング能力、学習過程の比較を行った。中高生は短時間の繰り返し練習によって、正しく読める割合と、読み出し時間が大学生レベルに達した。大学生は現在の英語学習において、読み出し時間は頭打ちの値に達しているものの、正確さは中高生の頃から向上していないようである。中高生の段階での正確に迅速に読む練習は高い効果が望める。ローマ字読みと英語読みの混同が学習を妨げているのであろう。(16頁)
     
  4. Effects of Word Reading and Repetition on Decoding Skills(単語の音読と復唱練習のディコーディングスキルへの効果)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2012年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:『言語コミュニケーション文化 第10号』、pp.51-63関西学院大学言語コミュニケーション文化学会
    概要:中高生対象にディコーディング(文字列の音声化)が、自分で読む、フィードバックを受ける、もう一度読む、の繰り返しにより、明示的な指導をしなくても、規則を獲得するかを検証した。小学生は正確になるものの、速度が向上するところまでは達しない。また、提示した文字列の母音部分に注意を向けるために、太字に変更した。そのタイミングを変更して影響を比較したが、有意な差はなかった。(13頁)
     
  5. A Comparison of the Decoding Skills of Children and Adolescents: An Examination of Automaticity and Error Types (子どもを青年のディコーディングスキルの比較:自動化と誤りの種類から(査読付)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2013年6月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:『Language Education & Technology 第50号』, pp.1-21 外国語メディア教育学会
    概要:文字列を解析してその音を発音することが読みの第一歩であり、英語の場合フォニックス指導も識字獲得まで数年を要する。短時間の単語音読課題の繰り返しと正確な音読音声のフィードバックによって識字の自動化が進むのか検証を試みた。自動化の指標、変動係数を5,6年生群、8、9年生群で比較した。両群においてローマ字用のルールを適用した誤読は顕著に減少し、その他の誤読は練習後も残った。一つの規則を使える学習者は、他の規則に切り替えることもできるといえる。小学校で英語指導とローマ字指導の混乱が懸念されているが、むしろ相乗効果があると考えられる。(21頁)
     
  6. 英語シャドーイングが英語読解プロセスに与える影響:近赤外分光法による脳内処理メカニズムの検討(査読付)
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2014年9月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:『日本認知科学会大会発表論文集 2014』(CD-ROM) pp.2-11 日本認知科学会
    概要:シャドーイングとリスニングが意識的な黙読時の脳内処理過程に及ぼす影響を調べた。①黙読、②シャドーイングまたはリスニング、③黙読を近赤外線分光装置(NIRS)による血中酸素濃度測定用ヘッドギアを装着して行った。前頭と側頭部を測定対象とした。シャドーイング中のみ、ブローカ野と前頭野の血中酸素濃度の上昇がみられ、事後の黙読速度が上がった(10頁)。(担当頁特定不可能、主に分析結果)門田修平, 中野陽子, 風井浩志, 川﨑眞理子,他4名
     
  7. The Effect of Shadowing on the Subvocal Rehearsal in L2 Reading: A Behavioral Experiment for Japanese EFL Learners (L2リーディングにおける心内復唱へのシャドーイングの効果:日本人EFLに対する行動実験)(査読付)
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2016年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:『Language Education & Technology 第52号』, pp.163-177 外国語教育メディア学会
    概要:シャドーイングをした前後における黙読の速さについてリスニングとの比較を行なった。シャドーイング後のほうが黙読の速度が上がった。(15頁)門田修平, 川﨑眞理子, 氏木道人, 他5名
     
  8. The Effect of Inviting Guest Speakers to English Communication Classes(英語コミュニケーション授業におけるゲストスピーカー参加の効果
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2017年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:『Human Welfare, 9(1) 』, pp.165-178 関西学院大学人間福祉学部
    概要:選択必須授業である英語コミュニケーション科目の授業の一環としてゲストスピーカーによる英語活動と留学生との交流を実施、動機づけを中心として質問紙による調査を実施した。全体的に好意的な回答を得た。注目すべきは、英語運用能力が低い群では自信をもって意思疎通ができる、高い群では自信がないとの回答が多いことである。(14頁)ハセイン・アイエド, 川﨑眞理子, 福居誠二,中野陽子
     
  9. The Impact of Interaction with Foreign Students on L2 Motivation, Attitudes, and Selves(留学生との交流がL2動機や態度及び自己に及ぼす影響
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2019年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:『Human Welfare, 11(1)』、pp. 145-159 関西学院大学人間福祉学部
    概要:初・初中級の大学生英語学習者のクラスに外国人留学生を招き、クラスレベルで互いにプレゼンテーションと質疑応答を行い、その後グループに分かれて話し合いを行った。この活動の前後での動機に関するアンケート回答から、全クラスで、学習に対する態度と義務的自己に改善が見られた。中上級クラスでは、文化的同化不安にも改善が見られた。初中級クラスでは、多文化のコミュニティに対する態度に改善がみられた他、文化への関心や理想の自己のスコアにも伸びが見られた。(15頁)川﨑眞理子, ホー・サム, 中野陽子, 茨木正志郎
     
  10. スマートフォン等の音声認識機能を使った発話練習(実践研究報告)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2019年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:『関西学院大学高等教育研究第10号』pp.125-133 関西学院大学高等教育推進センター
    概要:自分の発話の音声的側面への気づきを促す手段としてスマートフォンなどの音声認識機能を使って自分の発話を書き起こしてみた。学生の取り組みは良好であり、認識精度も上がったが、機能的に不透明な部分もあり、評価に使用するには現時点では問題が残る。(関西学院大学高等教育推進センター、先端的な授業改善に関する実践研究助成2018.4~2019.3による)(9頁)
     
  11. 疑似初級者のBe動詞を含む分構成能力
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2020年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:『新潟経営大学紀要第26号』pp.53-61 新潟経営大学
    概要:中学生の句構造の理解度調査は縦断的に実施され、習得状況やその指導への示唆が得られている。今回、大学生にBe動詞を欠く文に、Be動詞を挿入するテストを実施した。Thisと形容詞の間への挿入やWhich名詞isにおいてWhich isとした回答が多かった。定型文として定着しているが応用できない。(19頁)
     
  12. The Effects of Shadowing on Implicit and Explicit Knowledge Use for Japanese Learners of English(日本人英語学習者の暗示的明示的知識の活用にシャドーイングが及ぼす影響。(査読付)
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2020年5月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:『ことばの科学研究 第21号』pp.19-38 ことばの科学会
    概要:シャドーイングとリスニング練習が暗示的明示的第二言語知識の利用に及ぼす影響を行動実験により検証した。シャドーイングはオンライン処理を必要とする発話をリスニングより促進した。シャドーイングは聞きながら、発声し、それを聞くという3重の処理であるため、無意識に認知処理能力を要求されることによってL2コミュニケーション力の習得につながるのではないか。(20頁)(査読有)
    門田修平, 長谷尚弥,川﨑眞理子,  他4名
     
  13. 英語学習者の英単語の書き取り力と語彙サイズの関係
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2021年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:『新潟経営大学紀要第27号』pp.31-42 新潟経営大学
    概要:日本語識字力を有する英語学習者の英語綴り力を書き取りタスクを使って調べた。実単語と非単語では実単語のほうが妥当に綴れ(5割)非単語では妥当な綴りは4割、語末の文字を与えて3割が妥当な綴りであった。妥当性は学習者の語彙サイズとの相関がみられた。
 

中西 弘

著書

  1. 英語語法文法研究の新展開
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2005年10月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:英宝社、総頁数264、担当部分 pp.227-233.(7頁)
    概要:第5部  数字・計算および文の記憶と英語読解力との関連-日本人英語学習者における心理言語学実験- 本論は、日本人英語学習者を対象に数字・計算・文における記憶域、また語彙力が第二言語(L2)読解力にそれぞれどのように関わっているのか実証的に検討したものである。実験の結果、日本人英語学習者の文における記憶域と読解力との関連は強いが、数字・計算の記憶域と、読解力との関連は弱いことが分かった。その原因は、文字・数字を扱うワーキングメモリ(working memory: WM)の領域の違いにあるのではないかと考察した。 編者:田中実・神崎高明、分担執筆者:小西友七・梅咲敦子・神崎高明・衣笠忠司・住吉誠・西川盛雄・畠山利一・松尾文子・南出康世・浅田壽男・井上亜衣・大室剛志・甲斐雅之・後藤弘・杉浦隆・田中実・友繁義典・長谷川恵洋・八木克正・吉田幸治・和田四郎・内田聖二・澤田治美・嶋村誠・菅山謙正・田中廣明・松浦勉・都築正喜・中島直嗣・南條健助・堀智子・中西弘・西山正秋
     
  2. ことばと認知のしくみ
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2007年7月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:三省堂 総頁数416、担当部分pp. 309-320. (12頁)
    概要:第6章 6.2読みとワーキングメモリ 本論は、WMに関する知見を、最新の認知心理学・脳神経科学の研究成果を踏まえて紹介し、WM容量が第一言語(L1)文処理に及ぼす影響を扱った先行研究を概観した。その上で、L2WM容量がL2文処理にどのように関わっているのか、日本人英語学習者を対象にした先行研究と、自身の研究成果について論じた。 編集主幹:河野守夫、著者:井狩幸男・石川圭一・門田修平・村田純一・山根繁 分担執筆者:河野守夫・井狩幸男・魚崎典子・対馬輝昭・佐々木緑・中村弘子・村山潤子・西岡有香・桐谷滋・林良子・村田純一・山本雅代・嘉納もも・八島智子・石川圭一・野澤健・森庸子・山根繁・有本純・神崎和男・野村和宏・門田修平・西山正秋・中西弘・長尾知子・吉田晴世
     
  3. 教育・研究のための第二言語データベース 日本人英語学習者の英単語親密度<音声編>
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2009年1月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:くろしお出版、総頁数196. 担当部分  第3章pp.41-48.(8頁)  (中西弘・杉浦香織の分担執筆)
    概要:第3章 音声提示による英単語親密度―結果
    外国語教育メディア学会関西支部第5次基礎理論研究部会プロジェクトチームで作成したものである。日本人英語学習者を対象に、音声提示された刺激2965語に対して、その語をどの程度よく見聞きすると感じるかを、7段階で判定してもらい、親密度評定平均値とその順位をつけたものである。このデータベースは、従来、語彙選定の基準と使用されてきた頻度と共に語彙指導において重要な指標となるであろう。

    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:第8章pp.89-101. (13頁)  (池村大一郎・中西弘・杉浦香織の分担執筆)
    概要:第8章 親密度と音韻情報処理
    音読課題を通じて、メンタルレキシコン内の音韻表象へのアクセスに単語の頻度と親密度がどのように影響するのかを実証研究により検討した。18名の日本人英語学習者を対象に、単語呈示開始時から最初の音が発音されるまでの音読潜時を測定した結果、文字親密度が音読潜時に与える影響は頻度よりも強かったが、音声親密度は必ずしもそのような結果にはならなかった。
     
  4. 英語音読指導ハンドブック.
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2012年10月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:第8章pp.89-101. (13頁)  (池村大一郎・中西弘・杉浦香織の分担執筆)  大修館書店 総頁数408 担当部分 第11章3節pp.332-340.  (9頁)
    概要:第11章3節 第二言語ワーキング・メモリモデルの特質
    本論は、まず、第一言語(L1)におけるワーキングメモリ(WM)システムを神経心理学・脳神経科学・認知心理学の研究成果を踏まえて概観した。その後、筆者が日本人英語学習者を対象にした実証研究を基に第二言語(L2)WMシステムのモデル化を試みた。L2WMでは、音韻ループにおける言語処理の自動化が進んでおらず、言語処理に大量のWM資源が消費されるため、中央実行系からの指令が受けにくい状態にあると考えられる。

    発行又は発表の年月:第11章4節pp.340-348.  (9頁)
    概要:第11章4節 ワーキング・メモリスパンと文処理
    本論では、音読時における処理と保持の効率性を測定する課題であるリーディングスパンテスト(Reading Span Test: RST)を紹介した後、日本人英語学習者向けのRST実施方法・スコア測定法を提案し、処理効率得点がリーディングやリスニング理解力を反映する上で、より精度の高い指標であることを示した。また、WM 容量の大きな読み手は、小さな読み手よりも統語的に複雑な文(ガーデンパス文)の読み速度が速いことから、RSTにおける音読をいかに速く正確に行えるか、つまり、音読にかかるWMコストをいかに低減させることが出来るかが、統語的に複雑な文に遭遇した際にでも効率的に対処できる鍵になることを示した。
    編著者:鈴木寿一・門田修平、著者:川崎眞理子・川淵弘二・氏木道人・高尾渚・高田哲朗・竹下厚志・中西弘・西本有逸・野呂忠司・平尾一成・松井孝彦・溝畑保之・三宅滋・安木真一・山本玲子・吉田信介

  5. 外国語運用能力は、いかに熟達化するか―言語情報処理の自動化プロセスを探
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2014年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:松柏社、総頁数304 担当部分 第10章  pp.193-225. (32頁).
    概要:第10章 処理の視点からみた外国語学習者困難―文法操作力を高める/応答練習:質問に答える練習
    本論は、日本人英語学習者は統語処理が自動化しておらず、その処理に有限のワーキングメモリ(WM)容量の大半を消費してしまうため、記憶に容量を回すことが出来ないこと、統語処理の自動化の程度が英語習熟度を左右することを示した筆者の実証研究を紹介した。その結果を踏まえ、教室でどのような授業展開・タスクが学習者の統語処理の自動化に貢献するのか考察した(中西弘・横川博一による分担執筆:共同研究により本人担当部分抽出不可能)
    編著者:横川博一・定藤規弘・吉田晴世、著者:阿栄娜・島田浩二・榊原啓子・長井千枝子・中川恵理・中西弘・鳴海智之・原田康也・林良子・橋本健一・牧田快・森下美和
     
  6. 最新英語学・言語学用語辞典
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2015年11月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:2015年11月
    概要:心理言語学の研究において、実験で収集したデータを統計分析にかける際に用いる以下の用語, t-tests, Analysis of variance (ANOVA), control group, correlation, cross-sectional research, effect size, Factor analysis (FA), significance level, structural equation modeling (SEM), time-series design, variable, variance について解説を行った(掲載ページがアルファベット順の為、本人担当部分抽出不可能)
    監修:中野弘三他3名、著者:大関浩美、中西弘、遊佐典昭 他178名
     
  7. 日英対照言語学シリーズ(発展編)『心理言語学』
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2017年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:朝倉書店 総頁数163 担当部分 第3章pp.70-96.(27頁)
    概要:第3章 文理解・統語の獲得
    本編では、英語母語話者・日本人英語学習者における統語処理の心的プロセスに関わる先行研究を紹介し、共通点・相違点について考察した。英語母語話者はどのような統語表象を構築するのか、その際、各種情報(語彙・意味・文脈・プロソディ)情報をいつ、どのように利用しているのか概観し、日本人英語学習者における統語処理プロセスについて特に制約依存モデルの立場から検討した。
    編者:西原哲雄 著者:富田かおる・西原哲雄・中田達也・中西弘・高橋潔・鈴木渉
     
  8. 小学校英語教育の基礎知識
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2018年7月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:大修館書店、総頁数239 担当部分 第9章 pp.137-142. (6頁).
    概要:第9章 英語コミュニケーション能力の高め方
    小学校英語教員が、英語の運用能力を高めるためのトレーニング方法としてシャドーイングをいかに普段の学習に取り入れればよいかを解説した。シャドーイングの効果をことばの処理メカニズムをもとに概観した後、シャドーイングの学習手順、それぞれの練習段階でどのようなことに注意しながらシャドーイングを行うべきか説明した。さらに、シャドーイング練習の総仕上げとしてアウトプット活動を組みこむことを提案した。
    編著者:村野井仁 著者:村野井仁・遠藤恵利子・大山廉・清水遥・大友麻子・吉村富美子・中西弘・那須川訓也・渡部友子・那須川訓也・フィリップ バックレイ・遠藤健一・相田明子・クリストファー ロング・坪田益美
 

学術論文

  1.  How memory spans for digits, calculations  and sentences are related with reading comprehension for Japanese EFL learners(査読付)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2004年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:関西学院大学大学院修士論文、pp.1-73. (73頁)
    概要:本論は、L1におけるワーキングメモリ(Working Memory: WM)先行研究(モデル・認知課題との関わり)について概観した後、先行研究を基に、L2におけるWMが英語読解力にどのような役割を果たすのか、WM容量の指標として3つの記憶域(数字・計算・文)を測定し、日本人英語学習者を対象にした心理言語学実験を行った。その結果、日本人英語学習者においては、文処理に用いるWMと数字処理におけるWMが別々の領域に存在することが示唆された。
     
  2. How memory spans for reading, listening and spatial thinking are related with reading and listening comprehension for Japanese EFL Learners (査読付)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2005年12月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:言語コミュニケーション文化 Vol.3(関西学院大学大学院言語コミュニケーション文化学会)、pp.123-137. (15頁)
    概要:本論は、L2WMのサブシステム(言語性WM・空間性WM)の特徴を探るため、日本人英語学習者を対象に、言語性WM・空間性WM容量と英語読解力・聴解力との関連を調査したものである。その結果、英語読解・聴解成績は、言語性WM成績とのみ有意な相関値を示し、空間性WM成績とは関連を示さなかった。この結果から、L2WMでは、L1WM同様に、言語性WMと空間性WMが解離していることが示唆された。
     
  3.  The relationships between the central executive tasks and the spans for sentences and spatial rotations ―Psycholinguistic experiment for Japanese EFL learners (査読付)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2006年6月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:ことばの科学研究Vol.7(ことばの科学会)、pp.1-18. (18頁)
    概要:本論は、日本人英語学習者を対象に、中央実行系機能と言語性WM・空間性WMとの関連を調査したものである。その結果、実行系課題成績と空間性WM成績の間には、有意な相関値が見られたが、言語性WM成績との間には見られなかった。この結果は、実行系課題成績と言語・空間両WM成績に有意な相関値をみせたL1研究結果とは異なる。このことは、日本人英語学習者のL2WMはL1WMよりも、中央実行系と音韻ループのリンクが弱いシステムではないかと推察される。
     
  4. How L2 working memory capacity for Japanese EFL learners are related with processing of garden path sentences (査読付)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2007年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:ARELE Vol.18 pp.191-200.(10頁)
    概要:本論は、WM容量を、従来のRST得点法で測定し、上・下位群に分けてガーデンパス文の処理様式を比較したものである。その結果、RST下位群の方が、上位群よりもガーデンパス文を効率よく処理しているという、L1研究結果とは異なるものになった。第二言語学習者に対して従来のRSTを用いることの問題点を心理言語学的な観点から指摘し、今後、RST処理効率得点(Nakanishi, 2005)という読み時間も考慮した指標を用いて調査する予定である。
     
  5. Insights into second language working memory : An empirical study for Japanese learners of English (査読付)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2007年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:関西学院大学大学院博士論文 pp.1-219.(219頁)
    概要:本論では、WMにおけるL1先行研究(WMモデル・言語処理との関わり)を紹介し、L2でWMを扱うことについての是非を論じた後、日本人英語学習者のL2WMシステムの特徴を、著者自身が行った心理言語学実験を基に提案した。また、そのL2WMシステムがどのように言語処理に関わっているのか、心理言語学実験を通じて考察した。最後に、理論的側面・教育的側面から今後の展望を述べた。
     
  6. How L2 working memory capacity in Japanese EFL 
    learners is related to the processing of Filler-Gap Sentences (査読付)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2008年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:ARELE Vol.19 pp.33-49. (17頁)
    概要:本論は、処理効率得点を用いた得点法で日本人英語学習者のWM容量を測定し、WM上位群・下位群で、フィラーギャップ文処理様式に違いがあるのか否かを調べたものである。その結果、WM容量の個人差に関わらず、ギャップ位置で読み時間が有意に増大しており、フィラー要素をギャップ位置で統合する際にかかる処理コストが高いことが示された。またWM大群の方が、WM小群よりも効率よく文処理を行なうことが確認された。
     
  7. The New Index Score of the L2 Reading Span Test: The Relationship between L2 Working Memory Span and the Processing of Garden Path Sentences (査読付)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2011年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:東北学院大学英語英文学研究所紀要Vol.36 pp.191-200.(10頁)
    概要:本論は、Nakanishi (2007)の結果を、処理効率得点を用いて再分析したものである。その結果、RST上位群は下位群よりもガーデンパス文を効率よく処理することが示され、処理効率得点が従来の指標よりもWM容量を反映する指標であることが示唆された。また、RST成績に関わらず、曖昧性解消語句の位置で読み時間が有意に上昇することが明らかになった。つまり、ガーデンパス文の本動詞の位置で、統語構造の再構築が行われていることが示唆された。
     
  8. The Relation of L2 Working Memory Capacity of Japanese EFL Learners with the Resolution of Lexical Ambiguity (査読付)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2011年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:東北英語教育学会研究紀要 Vol.31 pp.93-103.(11頁)
    概要:本論は、日本人英語学習者のWM容量が多義語を含む文処理過程に及ぼす影響についての実証研究である。まず、L1先行研究で用いられた多義語の意識調査(オフライン・オンライン)を行い、多義語データベースを作成した。その後、多義語を含む文処理実験を実施した。その結果、日本人英語学習者は、WM容量に関わらず、多義語の複数の意味を保持しながら読みを進めることが難しいことが明らかになった。
     
  9. Determinant Processing Factors of Recall Performance in Reading Span Tests: An Empirical Study of Japanese EFL Learners(査読付)
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2011年10月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:JACET Vol. 53 pp.93-108.(16頁)
    概要:本論は、WMの保持機能に影響を及ぼす処理要因を調べるため、さまざまな処理側面(統語・意味・語用)に焦点を当てた4種類のRSTと英語習熟度テストを実施し、課題間の成績を比較した。その結果、統語処理に認知負荷を課したRST成績が最も低く、英語習熟度との相関が高いことが明らかになった。日本人英語学習者は、統語処理が自動化しておらず、その自動性の度合いに英語習熟度が左右されることが示唆された。
    共同執筆者:Nakanishi, H., Yokokawa, H.
     
  10. リーディングスパンテストの再生成績に影響を与える処理要因(査読無)
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2011年11月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:信学技報, 電子情報通信学会技術研究報告, 111, (320)号 pp.49 – 54.(6頁)
    概要:本論では、各種言語処理(意味・統語・語用論)に学習者の注意が向くようなタスクを設定(意味性判断課題、文法性判断課題、語用論性判断課題)したリーディングスパンテスト課題の成績を、様々な得点方法(再生得点、e-f得点、重みづけ得点)により算出した。その結果、得点法に関わらず、統語処理に負荷をかけたリーディングスパン得点が有意に低いことが明らかになった。この結果をワーキングメモリ資源の観点から考察を加えた。共同執筆者:中西弘.,横川博一.
     
  11. The Contribution of Lexical Processing Ability to Efficient Functioning of Working Memory in Japanese EFL Learners (査読付)
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2011年12月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:JACET中部支部紀要 第9号 pp.123-138.(16頁)
    概要:本論は、語彙知識量と語彙処理の効率性がワーキングメモリ(WM)の運用効率に果たす役割について検討した。各テスト成績間における相関関係を調査したところ、ある一定量の語彙知識をもった学習者においては、語彙処理能力とWM容量の間に有意な相関が、語彙知識を持たない学習者においては、語彙知識量とWM容量の間に有意な相関が見られた。
    共同執筆者:Sugiura, K., Nakanishi, H.
     
  12. Japanese EFL Learners’ Tendency Toward Syntactic Production in a Picture- Description Task: Establishing a Baseline for Syntactic Priming Experiments (査読付)
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2011年12月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:JACET中部支部紀要 第9号、pp.139-152.(14頁)
    概要:日本人英語学習者がメンタルレキシコン内にどのような動詞の統語表象を持つのか、そのデータベースを作成した。日本人大学生462名を対象に、特定の統語構造(接続詞、授与動詞、受動態、心理動詞)が産出可能な絵を用意し、オフライン法で筆記産出してもらった。本論は、その結果を分析し、日本人英語学習者の統語産出傾向をまとめたものである。
    共同執筆者:杉浦香織・堀智子・泉恵実子・門田修平・中野陽子・森下美和・平井愛・中西弘・礒辺ゆかり・齋藤倫子・里井久輝・薮内智
     
  13. The Contribution of Working Memory Capacity to Processing Sentences with Prepositional Phrases for Japanese EFL Learners (査読付)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2012年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:ARELE Vol.23 pp.281-296.(16頁)
    概要:本論は、WM容量の個人差が、文解析器の処理方略に影響を及ぼすのかを調べるため、69名の大学生を対象に前置詞句付加構文を用いて調査した。その結果、(1)動詞句付加構文の方が名詞句付加構文よりも正解数が多いこと(2)WM大群の方が小群よりも正解数・処理時間・解答時間において有意に成績が良いことが示された。 このことから、WM容量に関わらず、日本人英語学習者は、英語母語話者同様、最少付加方略を選好して統語解析を行うこと、前置詞句付加構文のような統語的に複雑な文であっても、WM大群は効率よく文を処理することが示唆された。
     
  14. How Japanese EFL Learners Make Use of Semantic Information within their Working Memory Capacity in the Parsing of Prepositional Phrases (査読付)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2012年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:東北英語教育学会研究紀要 Vol.32 pp.69-81.(13頁)
    概要:本論は、日本人英語学習者は、統語解析中に、意味情報が利用できる状況においては、その情報を利用してガーデンパス化を回避するのか、またWM容量によりその傾向が異なるのかどうかを調べるため、大学生47名を対象に前置詞句付加構文を用いて調査した。その結果、WM容量に関わらず、前置詞句の付加位置に関する意味的バイアスがある条件下においては、動詞句付加構文と名詞句付加構文における正解数・処理時間・解答時間の成績が変わらなかった。このことから、日本人英語学習者は、意味情報に依存しつつ統語解析を進めることが示唆された。
     
  15. The Relation of Lexical Constraints and the Parsing of Prepositional Phrases: From the Perspective of Japanese EFL Learners’ Working Memory Capacity (査読付)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2013年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:東北英語教育学会研究紀要 Vol.33 pp.87-98.(12頁)
    概要:本論は、統語解析中に、動詞の下位範疇情報や意味役割に関する情報が利用できる状況では、その情報を利用してガーデンパス化を回避するのか、またWM容量によりその傾向が異なるのかどうかを調べるため、大学生58名を対象に前置詞句付加構文を用いて調査した。その結果、日本人英語学習者は、WM容量に関わらず、動詞の下位範疇化情報や受け手に関する意味役割情報を利用しながら統語解析を行うこと、WM大群の方が、WM小群よりも効率的に文の意味を理解することが示された。
     
  16. The Effect of Shadowing on the Subvocal Rehearsal in L2 Reading (査読付)
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2015年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:LET 52, pp. 163 -177 (15頁).
    概要:本研究では、英語シャドーイング学習が、英語リーディングの黙読時間にいかなる影響を与えるのか調査した。日本人英語学習者25名を対象に、TASK A(シャドーイング訓練の前後にリーディングテスト) とTASK B (リスニング訓練の前後にリーディングテスト)を実施した。なお、シャドーイング・リスニング訓練では、100語程度の文章が5つ音声呈示された。実験の結果、シャドーイング訓練後のみ、有意に黙読時間が短縮した。シャドーイングは、モデル音声を間髪入れずに繰り返す訓練であるが、音韻ループの構音リハーサル機構が効率化されることが期待される。その結果、シャドーイング訓練後のリーディング速度が高速化したものと考えられる。
    共同執筆者:Kadota,S., Kawasaki, M.,Shiki,O., Hase,N., Nakano,Y., Noro,T., Nakanishi,H.
     
  17. Prior Contextual Influence on Syntactic Processing―From the Perspective of Japanese EFL Learners’ Working Memory Capacity (査読付)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2015年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:東北英語教育学会研究紀要, 35, pp.51-62(12 頁).
    概要:本研究では、統語的曖昧文である前置詞句付加構文を用いて、日本人英語学習者は統語解析中に、文脈情報を利用するのか検討した。また、どのような種類の文脈情報が利用されやすいのか、文脈バイアス弱・強条件を作成し、調査した。さらに、WM容量に応じてその利用度が異なるのかどうか検討した。その結果、日本人英語学習者は、第一言語話者のように統語情報を扱うことが出来ず(Clashen & Felser, 2006)、先行文脈情報を基に統語処理を行うことが示唆された。また、その傾向は、WM容量により左右されないことが示された。
     
  18. タスクが第二言語文理解時における言語情報処理に与える影響 : 自己ペース読み課題による検討(査読無)
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2016年12月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:信学技報, 電子情報通信学会技術研究報告, 116, (368) pp.75 – 80.(6頁)
    概要:本研究では、タスクの種類により言語情報への注意の向け方を操作し、特定の言語情報の違反の検出にどのような違いが見られるのか自己ペース読み課題を用いて調査した。分析の結果、習熟度の低い学習者は、統語処理が自動化しておらず、統語情報に注意を向けない限り、統語処理機構が起動せずに意味主導型の処理を行っている可能性があることが示唆された。
    共同執筆者:鳴海 智之・橋本 健一・中西弘・横川博一
     
  19. The Effect of Contents Shadowing on English Sound Perception for Japanese English Learners (査読付)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2016年12月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:JASEC, 25, pp.33-44. (12頁)
    概要:シャドーイングには、プロソディシャドーイングとコンテンツシャドーイングの2種類があるが、前者は、音声知覚の効率化(プロソディの獲得・分節音の獲得)を主に目指したものであり、後者は文法・意味理解の促進・内在化を主に目指したものである。本研究では、シャドーイング中に統語・意味・語用論的側面に実験参加者の注意を向けるタスクを課し、各処理の理解度・英語音知覚に及ぼす影響について調査した。その結果、統語処理に注意を向けたタスクの正解率が最も低かったが、英語音声再生率は、通常シャドーイングの成績と変わらなかった。つまり、統語処理促進のために実験参加者の意識を統語的側面に向けてシャドーイングを実施しても、英語音の知覚に悪影響を及ぼさないことが示唆される。
     
  20. Lexical-semantic Driven Processing during Sentence Comprehension by Japanese EFL Learners: Evidence from Task Effects on On-line Processing of Linguistic Information (査読付)
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2018年5月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:ことばの科学研究,第19号, pp.43-61.(19頁)
    概要:本研究では、日本人英語学習者を対象に、句構造規則違反文および意味違反文を読む際に、(1) 適格性判断課題、(2) 文法性判断課題、(3) 意味性判断課題の3種類のタスクを課し、特定の言語情報への注意の向け方を操作することで、違反の検出にどのような違いが見られるのか検証した。その結果、高熟達度の学習者は、統語情報や意味情報から注意をそらしても、それぞれ句構造規則違反、意味違反を即座に検出することが分かった。一方、低熟達度の学習者は、統語情報に注意を向けられれば統語処理が促進されるが、注意がそらされると、句構造規則違反文の処理に時間がかかることが明らかにされた。
    共同執筆者:Narumi, T., Hashimoto, K., Nakanishi, H.,Yokokawa, H.
     
  21. The Effect of the Attentional Aspect of Language Processing on Sound Perception in L2 Repeating Compared to L2 Shadowing for Japanese EFL Learners(査読付)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2018年11月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:JASEC, 27, pp.1-12.(13頁)
    概要:リピーティングは、モデル音声呈示から発話開始まで時間的余裕があるため、その間に様々な処理を行うことが可能である。これまでの先行研究では、リピーティング時の心的過程は必ずしも明らかにされてこなかった。リピーティング時に、各種言処理タスクを課すことで、各種言語処理段階(音声・意味・統語・語用論)に注意が向くような言語タスクを設けることにより、リピーティング時の学習者の注意を操作することで、リピーティング時の音声知覚にいかに影響を与えるのか調査した。その結果、統語的側面に注意を向けたリピーティングの再生率が最も低いことが示された。
     
  22. シャドーイング遂行中の注意の向け方とその効果(査読無)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2019年3月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:英語英文学, 103, pp.1-11(11頁)
    概要:本編では、シャドーイング遂行中における学習者の注意の向け方に着目し、プロソディ・シャドーイング、コンテンツ・シャドーイングを扱った先行研究では、どのようなタスクあるいは教授法により、学習者の注意を特定の言語的側面に向けさせているのか、また、それぞれのシャドーイングがどのような効果をもたらすのかその概要について報告した。また、日本人英語学習者にとって認知負荷の高い統語処理にシャドーイングが果たす役割について先行研究をもとに述べた。
     
  23. How Lexical Familiarity Affects Reading Span: An Empirical Study with Japanese EFL Learners(査読付)
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2019年5月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:ことばの科学研究,第20号pp.31-49.
    概要:本研究のもとになる研究(Nakanishi&Yokokawa, 201)では、単語の親密度を統制した上で様々な種類のリーディングスパンテスト(RST)を課し、統語・意味・語用論のいずれの処理段階に認知負荷がかかった結果、保持機能に影響を及ぼすのか調査した。本研究では、語彙アクセスの容易性を文末単語の親密度で操作することで、語彙アクセスの容易性が各種言語処理にどのように影響を及ぼすのか、また、その程度は習熟度により異なるのかを調査した。実証研究の結果、統語処理に学習者の注意を向けた課題に特徴的な習熟度の違いが見られた。高習熟度群は、高親密度条件の方が低親密度条件より得点が高かったが、低習熟度群においては、その違いが見られなかった。これは、低習熟度群においては、(1)統語処理が自動化していないこと(2)統語処理が語彙処理に影響を及ぼすことを示唆している。
    共同執筆者:Nakanishi, H., Narumi, T., Hashimoto, K., Yokokawa, H.
     
  24.  The Effects of Shadowing on Implicit and Explicit Knowledge Use for Japanese Learners of English (査読付)
    単著・共著の別:共著
    発行又は発表の年月:2020年6月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:ことばの科学研究,第21 pp.19-38.
    概要:リスニングとシャドーイングのトレーニングが明示的・暗示的知識に及ぼす影響について調査し、シャドーイングの方が暗示的知識の運用を促進することを示した研究である。インプット音声の知覚・理解で完結するリスニングと比べて、シャドーイングの方が、その処理の多重性(音声知覚・文法・意味処理・発音・聴覚フィードバック)から、さらに認知的負荷が高く、それだけ認知資源の配分を効率的に行う必要がある。その結果、第二言語コミュニケーションの自動性を高める可能性があることが示唆された。
    筆者:Kadota, S., Hase, N., Kawasaki, M., Nakanishi, H., Nakano, Y., Noro, T., Shiki, O.
     
  25. Effects of Content Shadowing Training for Japanese EFL Learners on Sound Perception Skills, Realization of Prosody, and Articulation Rates (査読付)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2020年6月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:ことばの科学研究,第21 pp.39-60.
    概要:シャドーイング遂行中の学習者の注意の向け方を操作することで分節音の音声知覚・プロソディ(ピッチ・インテンシティ)の実現・調音速度にどのような影響が見られるのかPraatを用いた音響分析により検討した。実験の結果、学習者の注意を意味的・統語的・語用論的側面に向けたコンテンツシャドーイングを行った場合、韻律的側面に学習者の注意を向けたプロソディシャドーイングと同様の効果(音声知覚・調音速度向上)が見られた。
     
  26. プロソディー情報がリスニングスパンテストの文理解と文末単語再生成績に及ぼす影響について(査読無)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2021年7月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:西南学院大学学術研究所外国語学論集, 2巻39-60.
    概要:本研究では、日本人英語学習者による音声言語理解時にどのようにプロソディ(ピッチ・ポーズ)情報が利用されるのか調査した。実験の結果、NSにおいても認知負荷が高いとされる関係節文の理解にプロソディ情報を適切に利用できるかどうかは習熟度によって異なり、英語習熟度が低い学習者はその情報を正しく利用出来ないことが示唆された。ただし、英語英語習熟度が高い学習者のWM運用効率は英語習熟度が低い学習者と同程度であった。
     
  27. Using Prosodic Cues in Syntactic Processing: From the Perspective of the English Proficiency(査読付)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2021年12月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:JASEC, 30, pp.17-28.
    概要:本研究では、日本人英語学習者が音声言語処理時にいかにプロソディ(ピッチ・ポーズ)を利用するのか、前置詞句付加構文を用いたリスニング理解実験を行った。その結果、低習熟度群は、プロソディが適切な統語境界上に付与されていても、その情報を利用して文理解を行えないことが示唆された。今後、プロソディ情報が適切に付与された処理負荷の高い構文を繰り返しシャドーイングさせることで、文理解が促進されるかどうか検討する。
     
  28.  Effects of Prosody Shadowing on Japanese EFL Learners’ Processing of Object Relative Clauses in English(査読無)
    単著・共著の別:単著
    発行又は発表の年月:2023年2月
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:西南学院大学外国語学論集3巻, pp.1-11
    概要:目的格関係節を含む文は、JEにとって認知負荷が高いことが指摘されているが、適切なイントネーションが付与された目的格関係節文を繰り返しシャドーイングすることにより、処理が促進されるかどうか調査を行った。その結果、習熟度に関わらず、処理効率(正答率・処理/解答時間)が有意に向上した。特に、低習熟度群の解答時間は、高習熟度群と同程度にまで短縮した。
     
  29.  Examining the Role of Prosody Shadowing in Sentence Comprehension for Japanese EFL Learners (査読付)
    単著・共著の別:単著
    発行所・発表雑誌等又は発表学会等の名称:JASEC, 32
    概要:本研究では、習熟度の低い日本人英語学習者を対象に、適切なイントネーションが付与された目的格関係節文を、繰り返しシャドーイングもしくはリスニングをすることにより、処理が促進されるかどうか調査を行った。その結果、両トレーニングともに、目的格関係詞文の正解率・処理時間・解答時間が向上した。両トレーニング間の効果の違いは観察されなかった。今後は、音響分析により、トレーニング前後のリズム・イントネーションの変化を比較する予定である。
 

米崎 里

  1. 米崎里・多良静也・福井郁 (2024). 「小学生を対象としたフィンランド型ワークブックの開発とその効果 ―授業と家庭学習の連携を目指してー」JES Journal, 24, pp.84-99.

  2. 米崎里・米崎啓和 (2024). 「フィンランドと日本における中学校教科書分析―第二言語習得の観点からー」JACET Kansai Journal, 26, pp.37-51.

  3. 米崎里 (2024). 「英語教員志望学生による中学生へのライティングフィードバックの効果に関する分析」『教育学論究2023』第15号, pp.45-54.

  4. 米崎里・多良静也 (2023).「フィンランド型英語プラクティスを取り入れた小学校英語授業と家庭学習の連携」『教育学論究2022』第14号, pp.75-86.

  5. 米崎里・平瀬しのぶ (2023).「英語教育と国語教育の連携授業の試みー主体的・対話的で深い学びを目指してー」 『甲南女子大学大学研究紀要I』 第59号, pp91-98.

  6. 米崎里 (2022).「語彙・文法の定着を図るプラクティスを取り入れた小学校英語の実践報告:フィンランドの小学校英語教科書に倣って」『英語授業研究学会紀要』第31号, pp.69-81.

  7. 米崎里・松岡達也・米崎啓和 (2022).「小学校英語授業におけるリテリングの活用と効果」『中部地区英語教育学会紀要』 第51号, pp.157-164.

  8. 米崎里・田中幹大 (2022).「英語授業でのオンライン英会話プログラム導入の成果と課題」『甲南女子大学研究紀要I』第57号, pp.55 -63.

  9. 米崎里・米崎啓和 (2021). 「フィンランドと日本の小学校英語教科書におけるType-Token Ratioの比較分析」『中部地区英語教育学会紀要』 第50号, pp.259-264.

  10. 米崎里 (2020).「小学校英語における語彙・文法の定着を図るためのフィンランド型プラクティスの開発とその実践報告」『甲南女子大学研究紀要I』第56号, pp.85-92.

  11. 米崎里・川見和子 (2020a).「フィランドの小学校英語教科書におけるプラクティスの分析」『日本教科教育学会誌』第43巻2号, pp.35-48.

  12. 米崎里・川見和子 (2020b).「フィンランドの英語教科書における本文内容理解を促進するためのプラクティスの分析」『中部地区英語教育学会紀要』第49号, pp.349-354.

  13. Yonezaki, M. (2018). The potential of student-generated questions and answers as scaffolding process for Japanese EFL students' reading. Journal for Science of Schooling, 19, pp.165-176.

  14. Yonezaki, M., Kawami, K., & Yonezaki, H. (2017). How classroom Q&A activities influence Japanese EFL learners’ English output skills: Through personalized Q&A activities. Journal of Teaching English, 26, pp. 45-55.

  15. Yonezaki, M. (2016) A comparative analysis of semi-direct speaking testing and direct speaking testing for Japanese EFL learners. International Journal of Curriculum Development and Practice, 18(1), pp.27-38.

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